31,俺らに出来ることはある? ページ32
裕「・・・・・俊哉、どうすることも出来ないの?」
俺の顔を覗き込み、心配そうな顔をした。
打つ手がない。
準備期間は約5日間。
その間に渉君、そして本人に伝えなきゃ。
俊「出来るなら俺だって動いてるよ。」
パソコンを閉じる。
チップはもう無いんだ。
記憶を移すこともできない。
裕「けっけどパソコンにコピーすればっ!」
俊「データ量半端ないんだよ?どこにコピーするんだ。」
そう言うと、裕太は黙ってしまった。
そこまでのメモリーは残っていない。
俺らに残された道。
俊「・・・・・・もう記憶を消すしかないんだ。」
静かになる部屋。
沈黙を破ったのは裕太でも俺でもなかった。
部屋に入ってくる宏光。
暗い顔、責任を感じてるんだろうか。
裕「博士っ、太輔君は・・・。」
宏「少し時間をくれ。」
そういうと、宏光は手と膝を畳に付けた。
宏「お願いだ、俺に協力してくれ。」
頭を下げる。
こんな宏光見たことなかった。
宏光は人に頭下げるような男じゃない。
それは俺が一番分かっていた。
-
子供の時も静かで、優等生だった宏光。
俺は平均より上だけどごく一般的な生徒だった。
神童と呼ばれた男が親族にいる。
それは俺にとって誇りであり、憧れでもあった。
『高嗣っ!今日は宏光来てるよっ!』
『マジで?やったぁ!』
しかし家は遠く、三か月に一回会えるかどうか位。
まぁ、そのおかげで三人で遊ぶ時にプレミア感が出て楽しかったんだけど。
『久しぶりっ、高嗣。』
『ひろちゃぁん!あいらびゅー!』
『俺も混ぜてー!』
『俊哉はあっち行ってろよー。』
なんて、俺だけ迫害されたり。
高嗣は宏光の目にどう映ってたのだろう。
テストの点が悪くてもヘラヘラしてる。
宿題忘れても「すみまソーリー!」とか適当に誤魔化す。
優等生からしてみれば永遠にありえないこと。
けど友達は多くて、毎日気楽に過ごしてる。
俺もいじられキャラで馬鹿やってた。
しかし、宏光は。
『俺、笑えるのお前らと一緒に居る時ぐらいだよ。』
苛められていた。
頭は良かった、誰もが認める天才。
それでもその扱いに不満を持つ者がいた。
中学受験する子が妬んで、宏光を苛める。
抵抗もしない宏光。
相談できるような人が居なかったことも原因の一つ。
彼は、家族を皆失っていたのだ。
32,今の俺をありがとう。→←30,そんな君も『君』だって。
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ゆるぼん - 新参さん!!新参さんの小説めっちゃ好きです!アンドロイドの続き気になりすぎて><>< (2014年8月11日 22時) (レス) id: 3ab5840d3a (このIDを非表示/違反報告)
宮玉.渉輔Love(プロフ) - 続き、気になります! (2014年8月8日 12時) (レス) id: 823867787e (このIDを非表示/違反報告)
玉森みーたん。 - 新参(にーさん)さん» デレ期到来っキタァァァァァァッァどんな風に過ごすか楽しみっす。たまーにのデレがいいねbbなんか報われた感満載(笑) (2013年9月15日 21時) (レス) id: a64e57a1bc (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷渉 - 続きめっちゃ、気になります!!! (2013年9月15日 10時) (レス) id: 15215460c0 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - このお話、めっちゃ面白いですね♪ 更新、楽しみにまってまーす!w (2013年9月8日 18時) (レス) id: 6b859914e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:新参 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ni-sannohomupe/
作成日時:2013年2月17日 23時