-アンドロイド≠主従- 《俺足》

20，彼は高らかに笑った。 ページ20

岩風呂にはど真ん中に大きな平べったい岩があった。
そこへ一直線へ向かう博士。

渉「こらー、ちゃんと体流してから入れー。」

宏「むぅ・・・分かりましたよーだっ！」

普通逆なんじゃないかな。
何で博士が怒られてるんだよ。
ぐちぐち文句を言いながら体を洗う博士。
宮田は長めの髪を「キューティクル！」とか叫びながら洗っていた。
水を被る。
髪を高速で洗い、すぐ泡を流した。
渉は・・・・・アレ？

渉「気持ち良いねー♪」

もう浸かってやがる。
しかも肩まで。
頭にタオル乗っけて完全にくつろいでいた。

太「はえーよお前、何のチート使ったんだよ。」

渉「太輔が遅いんだよ、ばぁーか。」

舌を出した後、馬鹿笑いする渉。
人をイラッてさせる天才だな。
温泉に飛び込む。

渉「あっちょっお前まだ体洗えてないだろーっ！！」

渉を襲撃。
羽交い絞めにし温泉の中に引き摺り込む。
よし、そのまま溺れとけ。

宏「はい、そこまでー。」

身体に走る衝撃。
寒いとか冷たいとかじゃない、痛い。
冷水だ、ホースから放たれたそれは俺らを捕らえていた。

渉「冷たい冷たい冷たいっっ！！」

太「やめろ北山っ！死ぬってマジでっ！！」

羽交い絞めをしたまま渉をホースの方へ向ける。
ふぅ、これで一安心。

渉「てめぇっ！やめろっ・・・・・やめてください本当にっ！！」

途中までドスの利いた声だったのに、途中から高い声に変わった。
足をバタバタさせる渉をよそ目に水を掛け続ける博士。
そしてそれを笑いながら見る俊哉。

宏「はっはっはぁ！許しが欲しいのならこの言葉を唱えるんだなっ！」

「はい、俊哉」とパスをした。
これが俗に言う無茶ブリってやつですね。

俊「えっとぉ・・・“僕のふしだらな体を痛めつけｔ」

裕「お望みどおりにさせてやるよオラぁっ！！」

知らない間に入ってきた裕太が俊哉に制裁を加えた。
ナイス、裕太。



-



目の下にある涙ボクロ。
可愛い口元。

高「温泉気持ち良いっ！やっぱ良いねぇー！」

このアホっぽい喋り方。
なぁ、高嗣。
見てくれてるか？
お前そっくりだろ。
俺、頑張ったんだ。

高「おーい！健永っ！どうしたの？」

手を振る高嗣。
懐かしくて、ただただ愛くるしくて。
温泉の熱で紅くなった頬に触れる。
お願い、戻って来て。
・・・・・我が儘だね。
無理だって、叶えられないって。
そう分かってる。
だから君を造ったのにね。

健「ごめんな。」

その言葉と共に涙が溢れる。
涙は温泉の中に溶け、消えていった。

ちょっと一息。→←19，俺に分かるように説明してくれ。

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