-アンドロイド≠主従- 《俺足》

13，過去に囚われた彼。 ページ13

宏「あぁー、確かにこの二人俺らとなんか空気変わんないよねー。」

笑ってる博士。
同調する俺と健永。
そして宮田に連れて行かれる玉森。
一瞬『イケナイものに触れてしまった感』出てたけど大丈夫？

太「あの・・・・・昔何かあったんですか？」

恐る恐る聞いてみる。

宏「実は俺、昔は自分用のアンドロイド持ってたんだ。」

対して驚くようなことでもなかった。
しかし一つ気になることがある。

太「その子はどうなったんですか？」

すると博士の顔が曇った。
あちゃー、これは踏み込み過ぎたな。
けど何時もあんな馬鹿しかやらない博士がそんな暗い過去を持っているはずないっ！

宏「・・・・・・・死んだよ、アンドロイドとして。」

oh。
終わったわ、絶対これ触れちゃいけないやつだ。

健「名前とかはあったんですか・・・・・？」

博士は俯きながら首を振った。

宏「俺は結局、アイツの名前も呼んでやることも出来なかった。生きている内に一度も。」

何時ものはきはきした声じゃない。
白衣を握り締め、博士は泣いていた。




宏「ここがデータ室、それとここが研究室。」

立ち直りの早い博士は、先程見せた涙の影も見せず研究所の説明をし始めた。
しかしここも意外と広いものだ。
見た目より大きかったな、この建物。
研究室の中に入らせてもらうと、そこには山積みの資料が。

健「ん、何すかコレ。」

カプセルのようなものを手の甲でコンコン叩く健永。
中身は見えない。
まさか新しいアンドロイドがこの中にっ！？

宏「今開発してるアンドロイドだよ。」

当っちゃったよ。
こうさ、何か当ったらダメだよね。
正直言って。

宏「実はこれ、健永君に作ったアンドロイドなんだぁー。」

えっはぁ？
待て、色々と展開早くてツッコミ追いつかない。

健「そうなんすかっ！？嬉しいですっ！」

あの、ちょっと？

宏「それを今日渡そうと思って来てもらったんだ。」

太「それ先に言えよっ！俺にっ！！」

イライラが積もった結果、叫んでしまった。
ここは近所迷惑にならないから良いな。

宏「まぁまぁ、とにかく見てみてよ。」

カプセル横のボタンを押す。
枠が開き、アンドロイドが現れた。
渉と同じ黒い髪。
その顔には渉には無いあどけなさがあった。
悪く言えば餓鬼っぽいっていうことなんだけどね。

宏「可愛がってね、名前はＳ-４二階堂高嗣だよ。」

さっきのリモコンと同じようなものを取り出し、ボタンを押す。
高嗣は目を開いた後、ニコッと笑った。

14，俺には荷が重すぎる。→←12，彼に会うのはあの日以来。

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