引き剥がし役してたら愛されました

嫌いNo.89 ページ46

さとみ目線



さ「ころんっ……なんでだよっ……！」

俺たちは今、楽屋にいる。



『…さとみ…………』




Aが横で寄り添ってくれる。



今は、そんなことも嬉しめないぐらいにころんに対しての気持ちがいっぱいだ。




さ「…………俺……………嫌われたかな。」



つい、言ってしまった。



『えっ？』



Aが驚いたように俺の顔をのぞいてきた。


俺は慌てて返事を返す。

さ「いやっ………ごめん。忘れて。」



『…………うん。わかった。』



さ「……………はぁ」







あーあ、

なんでだよ………。




なんで俺は気づかなかったんだ………





…ころん………………俺は、今までお前のことを一番わかってるつもりだったよ。



いつも兄弟のように隣り合わせてゲームをして。

酔い合って。軽く喧嘩し合って。悪口も言い合って。些細なことで笑い合って。下ネタ2人で言いまくって。



俺が一番という程ころんと長く、近くに居たのに。




ころんの、気持ちをころんが「大丈夫」っていうから……ころんの気持ちを偽装して。



勝手に思い込んでいた。





ころんは………俺が思ったより辛くて。
自分の気持ちを押し殺してまでも俺たちの事を願ってて。



さっきのお前。


泣いてただろっ……？
そんなことぐらい気づくわ……………俺。



一番ころんのことをわかってると思い込んで。
一番ころんのことをわかってあげてなかった。




ごめんな。




でも、俺もAが好きだ。




だから、俺は今決めた。




ころんと話し合う。





1人でこんなこと考えててもキリがないからな。








ころん……お前には必ず、幸せになってほしい。






だからこそ。



正々堂々話し合おうよ。







…………なっ？







さ「ちょっと、俺。行ってくるな。」



…ガタッ。









『え、ちょ、さとみ？！』








さ「Aは待っとけ。すぐ戻る。」






そう行って俺は楽屋を後にした。

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