引き剥がし役してたら愛されました

嫌いNo.57 ページ12

A目線
『えっ…』
僕の名前を呼んだのは…

こ「どうしたの？泣いてるの？」

ころんだった。
『ころっ…うっ…うぅ…』

こ「だいじょーぶ？とりあえずシートに戻ろ？」

え…、シートはまださとみがいるかもしれないっ
『だめ！』

こ「っ！A…？もしかして…さとみくんとなにかあった？」

『え…？』

こ「またさとみくんが何かしたの？僕からいっといてあげようか？」

『ちっちがう！さとみは悪くないの…！』
ほんと…さとみは悪くない。
悪くないのに…。

『…ちょっとトイレいってくる。』

こ「！？わ、わかった。いつでも…、何かあったら、呼んでね？」

『…え、？あ、っうん。』
スタスタスタ
ころん、優しいな…。
でも、ころんに甘えてたらダメだよな…。
あれ…？てか僕なんで泣いてるのけ？
さっきからわけがわからない…

ブーブー

スマホから…？
電話かな？

「さとみ」から…。
なんか…今は出たくない…。
出たくないけど…。

ピッ

出なきゃいけない気がする。
『も、もしもし…？』

さ＞はぁ…はぁ…も、しもし？A？今どこにいる…？

息切れしてる…でも…なんか、
『…べ、別にどこだっていいじゃん！さ、とみにはかんけ、いっ…ないっ！』
ぁ…思ってもないことが口にでてしまう…

さ＞…っ！…あぁ…そうか…。そうだよな。ごめんな。俺と会いたくないよな…切るわ…じゃ

え…。
『ま、っまって！』

さ＞えっ…？

『海の家のとこ！そこにいるから…待ってるから…』
「会いたくないよな」なんて、いわないで…。

さ＞っ！まってろ！

プツッ

『あ…』
切れちゃった…。

？「A！！！！！！」だきっ

『…ぁ…さ、とみ…？』

さ「はぁ…はぁ…ごめんっ！A！俺っ…こんなこと初めてで…うまくできなくて…。何したらいいのかもわかんねぇけど…とりあえず、誤解だけは解きたい…んだよ。」

『誤解…？』

さ「そう。あの時はな、弱い俺が出て…あんなこと言ったけど…ほんとはそういう意味だったから。」

『そういう意味って…』

さ「つまり、A。好きです。」

『…え…あ…ぅうっ…うぅ…』ギュッ

さ「え…？どうした！？」

自分でもよくわからないが、無意識に涙が溢れ、さとみに抱きついていた。

『…さとみぃ…』

さ「大丈夫か…？」ぽんぽん

そこからは、考える余地もなく、









『さとみぃ…嫌い…にならないでぇ…』
勝手に口が動いてしまっていた。

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