Nightmare Game ～闇夜を舞う二匹の仔狐〜 (ページ7)

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突然のことページ7

カイトside

「……………は…………」

見慣れない廊下、渋滞する人の列。

そして後ろには得体のしれない化け物。

羽宮カイトは混乱していた。

とりあえず逃げなきゃ。

そう思って翼を動かそうとした時…

「フウセンカズラ、花言葉:貴方と一緒に飛びたい」

耳元で誰かに、囁かれたような気がした。

気のせいかと翼を動かす。

なんとなく重いような……

背中を見ると

「おぉ〜本格的ぃ！」

幼い子供が、自分におぶられるように張り付いていた。

「！？？？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！」

カイトがあまりにびっくりしたため、おぶられている子供も動揺しているようだった。

「えっ………こっ…こんにちは！？」

混乱してカイトはとりあえず挨拶をする。

「こんにちはぁ」

元気よく挨拶が返ってくる。

が、今はそれどころではない。

後ろからはすでに人々の悲痛な叫びが聞こえていた。

とりあえず翼を動かして６ｍほど飛ぶ。

そのまますいすいと進んでいく。

子供をおぶったまま。

「あのね、おねーさんに能力でくっついてるんだけど、おねーさんに飛んでてほしいの」

こちらの混乱にも後ろの嘆きにもお構い無しで、子供は話しかけてくる。

「と、とりあえず君の名前は…？僕は羽宮カイト。女だよ…よろしく」

さっきから翼を激しく動かしているのに一向に離れる気配がない子供に話しかけてみる。

「僕はね、碧天紫！あおぞらむらさきだよ、よろしく」

「あ…うん、よろしく……」

自己紹介が終わったところで、紫は背中をカイトの背中にピタッとくっつけ

「ホウセンカ、花言葉:私に触れないで」

などと呟き、カイトの背中にホウセンカの形のバリアを張った。

「あっ…と…ありがとう…？」

自分を守ってくれたのか…はたまた暇なのか。

そんな事を考えながら空を飛んでいく。