7:That was ten years ago ページ8
あれは、10年前のことだった。
その頃は、友達もいて、親も優しくて。
歳の割に聡かった私は、異能力に怯えていたりもしたけど。
今思えば、十分幸せな生活を送っていたと思う。
けれど、その生活はすぐに壊れてしまった。
その異能力によって。
私が壊したという表現のほうがあっている気もするけれど。
まぁそれはともかく。
いつものように友達に話しかけたら、友達が泣いていたことがきっかけだった。
どうしたの?と無邪気に問いかけた私にその子は、
飼っていた犬が死んでしまったのだと泣きながら言った。
私も悲しくなって、なんとか慰めることができる方法を探していた。
幼い私は、ある案を思いついた。
犬が生き返ったら、悲しまないし、喜んでくれるよね!と。
後先のことなんて考えずに私は異能力を使った。
内容は、[死んだ生き物が生き返る世界]。
犬はたしかに生き返った。
けど、その先はもう地獄だった。
私と友達の周りから、たくさんの亡霊が出てきたのだ。
止めようとしたけど、止められなくて。
怖くて泣き叫んでいると、急に亡霊が湧いてこなくなった。
もう、友達はいなかった
その事に気が付き、震えながら見ていると、
残った亡霊たちは争い始めた。
血や肉が飛びかっていて、今でもぞっとする。
その時私は叫びだしたいのをこらえてゆっくり逃げ出した。
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作者名:アイスクリスタル | 作成日時:2023年7月14日 21時