気高き森の女王とわれわれだ (ページ6)

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次に目を覚ました時、俺は天井を見つめていた
崖から落ちたんだから見えるのは空・・・かと思いきや頭がボーっとするなかでも天井だと認識することができた
生きてるんか・・・
いや、もしかしたらここは天国かもしれへん
あんな高いところから真っ逆さまに落ちたんだ、生きてるわけがない

『目が覚めたか』

声がしたほうに首を動かすと光が逆光になっていて顔は暗いが赤い髪がキラキラと輝いてるのが見えた
綺麗
その一言に尽きる

やっぱ俺死んだんやな
無言で頬を抓ってみる
「いてててててて」
思いっきり抓ってみれば頬から伝わる痛み
生きてるんか
『だ、大丈夫か！？まだ痛いとこが？』
「あ、いや、すまん、今のはちゃうねん」
何がちゃうねんや、コネシマみたいやん
とにかく俺はまだ生きているということ
そしてここは木造りの家だということ
この家に赤毛の女の子がいるということ
俺の体には包帯が巻かれている、多分女の子がやってくれたんやろう
周りを見渡してある程度の情報収集はできた

「君が助けてくれたんか？」
『うん、崖下で血だらけになっていたから息があったし助けた』
「近くに兵士はおらんかったか？」
『兵士？いや、居なかったよ』
「そうか・・・」
あの時重症の俺にとどめをさすと思っていたが途中から忽然と消え、気配もなくなっていた

『多分森があなたを守ったのよ』
「・・・・・は？」
どこのファンタジー？と言いそうになったが“森が守る”の言葉に聞き覚えがあった
我々国のすぐ近くに誰も立ち寄らない森がある
草木が多く前に進むことが困難で一度入った者は帰ってこないという
ざっくりしていて本当かどうかはわからないし噂で聞いたまでだ
森に入る用なんてないから情報はあまりにも少なかった

『ここの森は自我を持っているの、誰も近づいてこないように私たちを守るために』
「じゃあ俺は本来ここにおったらあかんのやない？」
『でも君は生きてる、森があなたを生かしたんだよ』
「なんで」
『知らない、でも森が許したことは確か、だから安心して』
「そっか・・・いろいろとすんませんな」
『いいよ！私ちょっと薬調合してくるから！』

といって立ち上がり背伸びをすると「あ！」と声を上げ
『自己紹介まだだった！私はA・アーデンベルクあなたは？』
「トントンです」
『トントンね、よろしく！』
と明るく笑った彼女は絵にかいたような美しさだった

A・・・綺麗な名前やな