【名探偵コナン】お得意様の喫茶店【安室透】

7.5.土産 ページ8

「おーい、頼まれてたもん買ってきたぞー」


「おお、博士。ちゃんと買ってきたか？」

「もちろんじゃよ新一。ほれ、これでよかったんじゃろ？」

「おー！これこれ！俺が買いに行っても良かったんだけどあの人察しいいんだよな」

「あの人って、もしかしてポアロにたまにくる女性かしら？」

「おお、灰原。おめーがコーヒー飲みてえって言うから。ほら、俺のオススメのコーヒー豆」

「あら、随分親切じゃない？」

「んだよ、わりいか？」

「いいえ。別に。」

「まあまあ2人とも。ほれ、クッキーも買ってきたんじゃ。そろそろ子供達も来るころじゃし」

「クッキー？」

「頼んでねえぞ俺。」

「美味しそうなクッキーのにおいがしての、つい買ってしもうたわい！」

「太るわよ。」

「いち、に、さん、し、ご、ろく、あれ？おい博士、一つ多くねえか？俺ら3人にあいつらも3人で6人分でいいじゃねえか。なんで7つも買ってんだ？」

「ああ、それはこの前昴君がお裾分けくれたじゃろ？お礼に渡そうと思ってなあ。」

「いってらっしゃい。」

「おい、昴さんのことまだ疑ってんのかよ」

「工藤くんこそ、随分とあの人のこと信じてるようじゃない。」

「これこれ、やめんか2人とも。ほら、コーヒー淹れたぞい」

「あら、気が効くわね。博士。」

「おー！サンキューな！」

「それにしても新一がコーヒー豆に興味があったとはなあ」

「まあな。博士も会っただろ？あの店員。」

「確か…名前が」

「Aさんって言うんだけどさ、あの人美味い豆作れんのに本人がいっぱい売り出したくないって言うんだよ。」

「へえ、めんどくさそうな人ね。」

「最近ポアロの客が増えてんのが嫌なんだと」

「増えるのが嫌ってどういうことじゃ？」

「コーヒーを頼んでも結局飲まない人が多いってさ。安室さん目当ての人が増えてるからな」

「へえ、その人コーヒーが好きなのね。」

「ああ。コーヒー意外にも飲み物飲むのか気になって色々聞いたんだけどよ、普段はジャスミン茶飲むことも多いって言ってたんだよ」

「…カフェインが摂取できるって意味では同じね」

「すげー普通な人なんだけど、なんかこうよく分かんねーんだよ。掴めねー人っつーか。」

「そうかのお？ワシからは普通の良い人に見えたんじゃが。」

「一般的な印象を信用しないこと、だが詳細を掴むことには集中しろ、ってホームズも言ってたからな。」

「ふーん。」

「なんだよ？」

「なんでもない。」

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