【名探偵コナン】お得意様の喫茶店【安室透】

24.休息 ページ28

『どうも。あれ。』

「あっ、Aさん！」

あのおじいちゃんに後ろ髪を引かれつつもたどり着いたポアロにいるのは2人だけ。


『今日お客さん少ないですね。』

「一昨日から安室さんが暫く休みを取っててね、もしかしたらそのせいかも？」

『あー、そうなんですね。まあ、静かで私は好きですけど、経営的には…』

「でも！お客さんだって今ひとり居ますからね！」

『そうだね…こんにちは、コナン君。』

「う、うん！こんにちは！」


今日のお客さんはカウンターでコーヒーを飲んでいるコナン君のみ。彼が一人で来るのはレアだ。


「コナン君っていう立派なお客さんがいますからね！」

『そうだねえ、コナン君今日は蘭ちゃんも毛利さんも居ないの？』

「うん、ちょっとここで待ち合わせ。」

『この前の子供達？』

「そうだよ！」



そうか、彼とここで会える確率が低いのは待ち合わせ中にここにいるからか。相手が来てしまえばここから離れてしまう。

だから蘭ちゃんや毛利さんたちと来ないときはコーヒーだけしか頼まないのか。



「そういえば、なんで安室さんって休みなの？」

『確かに。風邪でも引きました？』

「うーん、急用ができたって言ってたけど…」

『なんて自由な店員だ。』

「急用…」


探偵業の方で忙しいのかもしれない。それにしてもここまで彼の存在が経営に関与しているとなると、ポアロに彼は必要不可欠なのかもしれない。



「ねえ、Aさんは安室さんのこと何か知らないの？」

『え？何かって、というか私に聞くかな？それ。』

「だって、仲良しなんじゃないの？」


いきなりすぎるコナン君の質問。仲良しだという噂のタネも気になるところだが、まあ、子供の前なのでムキにならず。


『知らない…あ、いや、この前疲れてるっぽかったから休んだらと、提案は。』

「それって、いつ？」

『えー？この前お菓子貰った日が水曜、ああ、木曜日の朝かな。』

「水曜…安室さんが休み始めた日って？」

「木曜の朝に来て暫く休みますって連絡してきたわ。」

「そうか…ということは…」

コナン君のブツブツタイムだ。たまにこうなる。独り言を言うことで論理的な思考をまとめているのだろうが、まあ、子供じゃなければ不審者扱いだろう。


『それじゃ、私戻りますね。』

「はーい！ありがとうございました！」

『こちらこそー。』


早く戻ればまだおじいちゃんと少女が残っているかもしれない。できる限り急げ。私。

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