閻魔あいという個性 ページ40
眼前に広がる暗闇。体に巻き付く縄。土臭い匂いに混じる血の匂い。
「あい!」
「……せんたろう…?」
凛とした声が聞こえた。いや違う。私が発声したんだ。セリフとこの状況から察するに、地獄少女の過去が明かされる…確かアニメで言うと25話だったかな。
……いやいやいや、なんでそのシーンが私の身に起こってるんだよ。口は自由に動かないし目は見えないし。
姿勢が辛くて小さく身動ぎをすると、ふいに上から土が降ってきた。砂のような僅かな重さだったけど、何故か私の体は後ろに倒れる。同時に堪えきれないくらいの悲しみと憎しみが目から溢れ出た。
「助けてくれるって…信じてたのに…!」
あいちゃん…この時こんな気持ちだったんだ。言い表すことは出来ないが、怒りと悲しみと憎しみと絶望と喪失感と……とにかく色んな感情が混ざりに混ざって、私の中を渦巻いている。
村の人は許せないが、せんたろうも同じくらい許せなかった。それでも村を焼いたのは間違った選択だろう。憎しみに身を任せ修羅に堕ちるなんて、人間が犯してはならない大罪。
でもまぁ、これだけは言える。
──君たち2人は、何も悪くないんだ。
────
──
「おい、A!」
「うえっ!?」
目覚めてみると、眼前には暗闇ではなく消太お兄ちゃん。とっても焦った顔をしている。
「酷くうなされてたが、怖い夢でも見たのか?」
「……あぁ、確かに、怖い夢だったなぁ…」
夢でよかった。が、これで少しだけわかったことがある。
地獄少女という作品がこの世界に無いのは、実は地獄少女の世界がヒロアカの世界と融合しているからなのでは?と考えた。つまりは地獄通信が今のこの世界にあるという仮定。これなら作品が無いのも納得。けどこの前調べた時にはそんなの無かった。ならば夢小説的展開で考えると、もうひとつの仮定が考えられる。
私の個性は地獄少女。
ありえない話じゃない。理屈はよく分からないが、そういうパターンもあったりするからな。あくまで仮定の話だから真相はわからん。
…が、私の容姿を見ると、その仮定が一番の有力候補だと思えてしまう。
閻魔あいのような黒髪に顔に瞳に声に。まるで私という中身があるだけのもう1人の閻魔あいのよう。
「…消太お兄ちゃん。ぎゅってして」
「ん。わかった」
私と同じ匂いがする男の肩に、顔を埋めて泣いた。
「あいちゃん、辛かったね」
あの感情に私が耐えきれるはずもなく、泣き疲れて眠るまで1時間かかった。
私の1日を紹介してやろう！→←クロノ「将来は美人になりそうですねぇ」閻魔「襲うなよ?」クロノside
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雪羅(プロフ) - Miraiさん» コメントありがとうございます!読者さんのノリが良くてこっちも面白いです。ごくせん好きなのでそう言って頂けて嬉しいです!! (2020年3月11日 13時) (
レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - なんかごくせんみたいだった。面白かった、、ｗｗｗ (2020年3月10日 12時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - 初コメなんですけど、ここのコメ欄面白すぎません？やばみざわなんですけど？時代遅れがでてしまった、、 (2020年3月10日 11時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - アトラさん» くっ…漆黒の翼め…!この性(聖)なる母である私に喧嘩を売ろうというのか!? (2019年7月31日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - ふふ...漆黒の翼の私前ではそんな言葉珍しくもないわ(変態) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 32785243ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2019年3月22日 12時
