閻魔「お久しぶりの心操くん」心操「俺出番１回だけじゃん」心操side ページ30
ガチャリと、音を立てて玄関を開けた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
いつも通り家族に挨拶して、自分の部屋に行く。
ベッドと机とテレビとタンスと本棚と……これら以外何も無い味気のない部屋だけど、俺にはこれで十分だ。
「はぁ……」
重々しく息を吐いて、見慣れた白い天井を見つめる。
今日も誰とも話さなかった。というより、話せなかった。の方が正しいのか。
俺の個性は洗脳。個性が個性なだけにクラスメイトはおろか、先生達でさえも俺と話すことをためらっているからだ。
第一、個性を公共の場で使うのは禁止されてんだから使うわけない。
今では俺と恐れずに話してくれるのは両親だけ。
……あの子も、俺の個性を知ったら、避けるのだろうか。
本棚の方に向かって歩き、1冊の本を手に取る。
俺が取ったのはアルバム。もう古くて、所々擦れている。俺が1歳の時の写真を見ると、笑っている俺の隣に、同い年の女の子が写っていた。
黒い髪、赤い目。幼くても、ちゃんと顔が整っている。
まるで意思のある人形みたいだ。
閻魔A。それがこの子の名前。
小さい頃の事だし、１回しか会ったことが無いからもう覚えてないが、こうして写真に撮られた姿を見ると本当に遊んでたんだという実感も湧いてくる。
『洗脳!?ヴィランみてーな個性じゃんか！』
『私に個性かけたりしないでよ！』
『し、心操くん…?これ、お父さんお母さんに、見せてあげ、てね…?』
『ヒーローはもっとかっこいい個性じゃないとなれないんだよ！』
「うるさいっっ!!」
どいつもこいつも個性しか見てない!
誰も俺を見てくれない！
俺は頭を抱え、その場にうずくまる。
「はぁ……はぁ……」
床に落ちたアルバムに目線を戻す。
もう俺を救けられるのは、君しかいない。
君の両親が逮捕されたのは知ってる。
どこか遠くに行ってしまったことも知ってる。
人生全部使っても、会えないかもしれない。
それでも、俺は君に会いたい。
A。
会いたい。
5年生になりました→←男性ってシンボルさえ蹴れば大体ダウンするよね
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雪羅(プロフ) - Miraiさん» コメントありがとうございます!読者さんのノリが良くてこっちも面白いです。ごくせん好きなのでそう言って頂けて嬉しいです!! (2020年3月11日 13時) (
レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - なんかごくせんみたいだった。面白かった、、ｗｗｗ (2020年3月10日 12時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - 初コメなんですけど、ここのコメ欄面白すぎません？やばみざわなんですけど？時代遅れがでてしまった、、 (2020年3月10日 11時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - アトラさん» くっ…漆黒の翼め…!この性(聖)なる母である私に喧嘩を売ろうというのか!? (2019年7月31日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - ふふ...漆黒の翼の私前ではそんな言葉珍しくもないわ(変態) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 32785243ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2019年3月22日 12時
