朝 ページ1
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『ぅん……』
朝の日差しに雪は目を覚ました。もう一度寝てしまおうかと考えたが、喉の渇きが気になって腰に回った腕を退かして、ベッドの下に乱雑に落とされた服をかき集める。そして、下着をつけてすぐそばに落ちていたスウェットを着る。どこか違和感があったが、未だ完全に覚めきっていない雪の頭ではそんなことなどどうでもよく、早くこの喉の渇きがなくなることだけを考えて痛い腰を我慢して雪はキッチンへと歩いた。
声出しすぎちゃったかな。
なんて雪は考えながら水を飲む。潤ったが、少しだけ痛む喉に雪は顔を顰めた。昨晩、散々冴に啼かされたのだから雪の喉が枯れるのは当たり前だろう。そして、注いだ水を全て飲み干した雪は完全に冴えきってしまった頭ではもう一度寝ることはできないだろうと考え、朝食でも作ろうと腕まくりをした時だった。
『あ、冴。おはよう』
部屋に入ってきた冴に雪はそう言って微笑む。しかし、冴はそんな雪の手を掴み来た道を引き返す。雪は困惑しながらも大人しく冴に手を引かれたまま足を進める。その向かう先は、先程まで二人が寝ていた寝室だった。雪は冴の行動に疑問を抱きながらも、されるがままに部屋にはいる。すると、冴が雪を抱きしめたままベッドに倒れ込み、スプリングの音が雪の鼓膜を揺らした。
『あの、冴……？』
困惑した表情で冴を見上げる雪の視界には、不機嫌だと言わんばかりに眉間に皺を寄せた冴がいた。
怒ってる……？
冴が不機嫌な理由に心当たりがない雪は頭の上に疑問符を浮かばせる。すると背中と腰に回った冴の腕がさらに強く雪を抱きしめる。少し苦しい圧迫感を感じながらも、冴が何を言いたいのかが分からなくなった雪はもう一度冴の名前を呼んだ。その声は優しく冴を反応させるのには十分だった。どこか不安そうに揺れる浅葱色は雪を映している。
「勝手にいくな」
つまりは、起きたら自分が隣にいなかったから態々連れてきたと、いうことなのだろう。と雪は冴の行動をその一言で推理する。そしてその考えは合っているのだろう。いつの間にか雪の頭に添えられた冴の手が優しく雪の髪の毛を撫でていたからだ。
『冴の隣にずっといるよ』
まるで愛おしいと言っているかのように聞こえるほどに勿忘草色には燃え盛るような熱が孕んでいた。そんな雪の旋毛に冴はキスを一つ落とした。
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うつ(プロフ) - レンヤさん» コメントありがとうございます！レンヤ様のオメガバースを好きになるきっかけになることができてよかったです🫶🏻楽しみにして頂いてありがとうございます🙇🏼♀️💕応援してくださってとても嬉しいです☺️ (2023年4月21日 13時) (
レス) @page8 id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
レンヤ(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。作者様の前作にオメガバース作品の良さを教えて頂きました✨ 続編を作られていてこれからの続きが凄く楽しみです！かげながら応援しております！！ (2023年4月21日 8時) (レス) id: 315830c04e (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 砂時計さん» コメントありがとうございます。続編も読んでくださりありがとうございます、！ドロドロ甘々なお話を目指しているのでそう言って頂けてと手も嬉しいです😿♡これからも二人のドロドロイチャイチャ生活を見守っていただけると幸いです💕 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 真昼さん» そう言って頂けてとても嬉しです、！不定期更新ですが、気長にお待ちください🫶 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - コメント失礼します。続編、おめでとうございますっ、また、お二人のお話を読むことが出来てとても幸せです😭♡ 作者様の仄暗さと甘ったるさの詰まった感情描写がとても美しくて好きです。これからも作者様のペースで更新のほど頑張ってください！！ (2023年4月1日 9時) (レス) id: 9f48da2d13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うつ | 作成日時：2023年3月20日 9時
