107.一方で ページ9
Aside
────あれから俺は鬼の家まで連れて行かれて、大きな食堂に案内された。
「早速食事の時間にしよう」
「あの、俺はこれから何をしたら⋯」
「その話は食事の後で構わないかい？」
「⋯⋯⋯はい」
有無を言わさない圧に俺が頷くと鬼はニッコリと笑った。
わざわざ俺に食事をさせるってことは、ソンジュやムジカみたいに人を食べない鬼だったりするのか⋯？
いやでも、それじゃあ大金はたいて俺を買った理由に説明がつかない。
「⋯いただきます」
どことなく感じる違和感に蓋をして運ばれてくる食事を口にした。あ、意外といけるかも。
「──さて、そろそろ本題に入ろうか」
紙ナプキンで口元を拭いた鬼が仰々しく口を開いた。
「君には15歳までここで暮らしてもらいたい。それ以外は特に制限しないし、この屋敷のものは自由にしてくれて構わない」
15歳まで、ってことは⋯
「15歳になったら食べる⋯って事ですか？」
「察しが良くて助かるよ」
この鬼の目的はなんだ？
そんな事をしてなんの意味がある？
そんな俺の疑問を感じ取ったのか、鬼が答えてくれる。
「上の偉そうな奴らは12歳が一番美味いなどとふんぞり返っているがそれは間違いでしかない。真に美味しくなるのは15歳の時だ」
まぁこれは今はまだ私個人の見解でしかないんだけれど、と零す鬼に少し緩んだ警戒心を強める。
危ない危ない、一見礼儀正しいけどコイツも本物の鬼なんだ。
「それじゃあ、君の生活する部屋を案内しよう」
そうして案内されたのは鬼仕様なのか割と大きめの部屋だった。
「ここが今日から君の部屋だ。今日は共に食事を摂ったが、他の鬼もいるから基本的にはこの部屋を出てはいけないよ」
「わかりました」
何となく廊下を見渡すと、俺の部屋と似たようなシンプルな扉がずらっと並んでいる。
「あぁ、言い忘れていたね⋯右隣の部屋にはくれぐれも入らないように」
「？⋯はい」
一体隣の部屋に何があるんだ？と不思議に思いつつも頷いた。
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ルノチキ(プロフ) - サクラさん» サクラさんコメントいつも本当にありがとうございます！！申し訳ないのですが受験生のため、来年の3月くらいまで一度更新停止させて頂いています。どうか気長にお待ち頂けると幸いです。 (8月30日 17時) (
レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続きお願いします。 (8月13日 14時) (レス) id: fb2a310b55 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます！そんな風に言って貰えてすっごく嬉しいです！！更新再開までお付き合い頂けたら幸いです。 (6月15日 16時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - こんなにも面白い作品をありがとうございます。 (6月13日 4時) (レス) @page11 id: 3f6213cd29 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - サクラさん» 毎度この作品を読んでくださりありがとうございます。そう言ってもらえて何よりです！ (5月8日 22時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2022年8月22日 17時
