検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:13,723 hit

106.行ってきます ページ8

「あと5人!」

残るはエマとレイ、トーマ、ラニオン、ジェミマだけだ。

「次ジェミマおいで」

「エマ、、どうしよう手が⋯ご、ごめんなさい。下が崖だって思ったら、もし落ちたらどうしようって⋯⋯!」

「落っ⋯!」

泣き出すジェミマの恐怖がトーマとラニオンにまで伝染する。





「大丈夫。大丈夫だ、一緒に渡ろう」

こんな時にあやしてくれるAの代わりに、レイがジェミマを抱っこして、安心させるために頭を撫でる。

「エマ、さっき皆を引き上げた時のロープあったろ。それで俺とジェミマを固定してくれ」

「降下の手順は?」

「見て覚えた。わかってる」

エマはキュッと強くレイとジェミマをロープで縛って固定する。


「お前らは?1人で平気か?」

「っおう。アタボーよ!」

レイの売り言葉にトーマとラニオンが買い言葉で答える。

「よく言った。じゃあ行くぞ、ジェミマ」

改めてジェミマを抱え直すとハンガーを持って滑る準備をする。



「ヒュ〜、かっこいい」

らしくない事をしたからだろうか。Aの茶化すような声が聞こえた気がした。Aはこんな展開になることも見越していたんだろうか。

「A⋯」

「12年しか生きてないのに死にたがりの達観レイくん、少しは希望が見えましたか?」

全力でバカにしてくるAにイラッとする。

「“約束”、守れなくてごめんな」

「Aのばーか⋯」

そのクセすぐにしんみりとした顔になるAにエアデコピンをした。

「ったく、俺の負けだ。ノーマン、A」

死ぬのはまだ先でいい。俺はこいつらと逃げる。足掻く⋯守るよ。次は誰一人死なせない。





あとはエマが滑るだけとなった時、やっとの事でママが追いつくが、もう遅い。

「⋯さよならママ」

滑り終わってロープを切ると、みんなで森の中へと走り出す。








──行ってきます。

107.一方で→←105.ありえない光景



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (126 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
356人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ルノチキ(プロフ) - サクラさん» サクラさんコメントいつも本当にありがとうございます!!申し訳ないのですが受験生のため、来年の3月くらいまで一度更新停止させて頂いています。どうか気長にお待ち頂けると幸いです。 (8月30日 17時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続きお願いします。 (8月13日 14時) (レス) id: fb2a310b55 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます!そんな風に言って貰えてすっごく嬉しいです!!更新再開までお付き合い頂けたら幸いです。 (6月15日 16時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - こんなにも面白い作品をありがとうございます。 (6月13日 4時) (レス) @page11 id: 3f6213cd29 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - サクラさん» 毎度この作品を読んでくださりありがとうございます。そう言ってもらえて何よりです! (2023年5月8日 22時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルノチキ | 作成日時:2022年8月22日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。