35話 俺の夢は ページ37
3人が家に来た日から数日経った。
喩えるならようやく目が覚めたような、そんな晴れやかな気分だった。
俺は今まで何をそんなに焦っていたんだろうな。
“Aがいきたい道をいきなさい”
“お父さんのことも、おじいちゃんのことも気にしなくていいの”
“貴方の幸せが一番大切よ”
母さんはよくそう言って俺の頭を撫でてくれた。
俺のやりたいこと...って何なんだろう。
テコンドーは好きだけどそれは爺ちゃんを尊敬してたからで。
__きっとずっと前から答えは決まっていた。
俺の夢は⋯東卍に入ること。
でも中々踏み出せずにいたんだ。
東卍に入る前にしなきゃいけねーこといっぱいがあるから。
まずは爺ちゃんと話さねぇと。
俺は決意を固めて爺ちゃんの部屋に向かった。
Aのお爺さんは驚いた顔をしたが直ぐに部屋へ招き入れた。
『えっと...心配、かけてごめんなさい。
あの時まだ何か言おうとしてた、、じゃん』
謝ったものの何から話せばいいか分からずしどろもどろになる。それに爺ちゃんの顔を見ることができずにいた。
「Aが海外に行ってからずっと考えておった。ワシの夢がお前さんの重荷になるんじゃないか、ってな。
テコンドーじゃなくてAがやりたいことをしてほしいと、あの時は早く伝えるべきだと焦ってAの気持ちを考えてなかったんじゃ。その結果、Aを傷つけた」
『え、』
爺ちゃんがそんな事を考えてたなんて思いもしなかった。
驚いて今まで俯いたままだった顔を上げると爺ちゃんは辛そうに、申し訳なさそうに顔を顰めていた。
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ルノチキ(プロフ) - 鎖骨さん» まじですか!?そう言って頂けて何よりです!最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2021年10月1日 0時) (レス) id: c4cd32353d (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨 - 凄い…めちゃくちゃいい話でした。。終わり方が最高です…!!グッとくるものがある…! (2021年9月30日 23時) (レス) @page42 id: c7ef1e87db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年8月23日 10時