検索窓
今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:108,653 hit

35話 俺の夢は ページ37

3人が家に来た日から数日経った。




喩えるならようやく目が覚めたような、そんな晴れやかな気分だった。





俺は今まで何をそんなに焦っていたんだろうな。







“Aがいきたい道をいきなさい”







“お父さんのことも、おじいちゃんのことも気にしなくていいの”







“貴方の幸せが一番大切よ”








母さんはよくそう言って俺の頭を撫でてくれた。




俺のやりたいこと...って何なんだろう。


テコンドーは好きだけどそれは爺ちゃんを尊敬してたからで。




爺ちゃんの望み(テコンドー)でも父さんの野望(空手)でもない俺自身の、夢。






__きっとずっと前から答えは決まっていた。






俺の夢は⋯東卍に入ること。





でも中々踏み出せずにいたんだ。





東卍に入る前にしなきゃいけねーこといっぱいがあるから。







まずは爺ちゃんと話さねぇと。





俺は決意を固めて爺ちゃんの部屋に向かった。



Aのお爺さんは驚いた顔をしたが直ぐに部屋へ招き入れた。





『えっと...心配、かけてごめんなさい。
あの時まだ何か言おうとしてた、、じゃん』


謝ったものの何から話せばいいか分からずしどろもどろになる。それに爺ちゃんの顔を見ることができずにいた。





「Aが海外に行ってからずっと考えておった。ワシの夢がお前さんの重荷になるんじゃないか、ってな。
テコンドーじゃなくてAがやりたいことをしてほしいと、あの時は早く伝えるべきだと焦ってAの気持ちを考えてなかったんじゃ。その結果、Aを傷つけた」

『え、』



爺ちゃんがそんな事を考えてたなんて思いもしなかった。




驚いて今まで俯いたままだった顔を上げると爺ちゃんは辛そうに、申し訳なさそうに顔を顰めていた。

36話 向き合わねぇと→←34話 ガキ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
385人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ルノチキ(プロフ) - 鎖骨さん» まじですか!?そう言って頂けて何よりです!最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2021年10月1日 0時) (レス) id: c4cd32353d (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨 - 凄い…めちゃくちゃいい話でした。。終わり方が最高です…!!グッとくるものがある…! (2021年9月30日 23時) (レス) @page42 id: c7ef1e87db (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年8月23日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。