16話 なんで ページ17
『あ...』
爺ちゃんは頑固だからきっと話してくれない。
だったら俺もわざわざ会いに行ったりしない。
そう決めた俺は爺ちゃんと鉢合わせないように避けてきた。
それなのに
...今、目の前には爺ちゃんがいます。
俺って最近本当にツイてないよな。
マイキーくん達と別れた後真っ直ぐ家に帰った。
そして、道場には見向きもせずに自分の部屋に向かおうとした。
そこまではよかった。
ただ、その途中でバッタリ遭遇してしまったのだった。
ガッツリ目を合わせてしまったため、通り過ぎることもできないから爺ちゃんに話をしようと持ちかけた。
爺ちゃんの部屋に案内してもらい畳の上に敷かれた座布団に腰を下ろす。
大層に急須まで用意され湯呑みに注がれた緑茶で喉を潤した。
『......そろそろ、話してくれてもいいんじゃないの』
重い空気の中、何とか絞り出した言葉がそれだった。それでも爺ちゃんは変わらず黙りで。
『テコンドー...どうなったの?』
しっかり言葉にして聞くと、複雑そうな表情をしながら爺ちゃんは口を開く。
「...もうテコンドーはダメなんじゃ」
は?
『な、んで』
俺は今、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているんだろう。いや、豆鉄砲なんて優しいもんじゃない。頭を鈍器で殴られたような感覚の方が正しいのかもしれない。
「テコンドーだけじゃ道場はやっていけん」
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ルノチキ(プロフ) - 鎖骨さん» まじですか!?そう言って頂けて何よりです!最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2021年10月1日 0時) (レス) id: c4cd32353d (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨 - 凄い…めちゃくちゃいい話でした。。終わり方が最高です…!!グッとくるものがある…! (2021年9月30日 23時) (レス) @page42 id: c7ef1e87db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年8月23日 10時