11話 初ゲーセン ページ12
簡単にやり方を教えてもらったAは3回目で要領を掴んだのか的確にアームを操作する。
『あ、取れた』
「オマエすげぇな！！」
「初めてなのに上手すぎンだろ！」
『ほい』
「いや...これ、お前にやるよ」
『え、いいの？これ千冬が欲しかったやつじゃ...』
受け取り口からぬいぐるみを取り出して千冬に渡すも断られてしまった。
「そーだけど、最後取ったのAだし。初のゲーセン記念に持ってけ」
「コイツがそう言ってンだから素直に貰っとけ」
『そっか。ありがと』
Aは大事そうにぬいぐるみを抱えた。
「 ＿＿Aクッソ弱ぇな」
クレーンゲームから場所を移し、現在は格ゲーで対戦中である。最初にお手本として千冬と場地が対戦するのを、Aは興味津々で食い入るように見ていた。
対決は場地が勝ち、すぐさま俺もやりたい！とAが声を上げた。目をキラキラとさせるAは珍しく、2人は少し驚いた。
そして今場地とAが対戦し、ストレートで場地の勝利となった。
『仕方ねーじゃん。初めてなんだから』
不貞腐れた顔でもう一回だ、というAを千冬と場地は呆れつつも優しい表情で見ていた。
そこから2人に全力で止められるまでAは格ゲーをし続けた。何十回も対戦した結果、Aは一度だけ千冬に勝利した。
その勝利もまぐれのようなものだったが...
「「じゃあな！」」
『うん、また明日！』
そう言ってAは2人と別れ、嬉しそうにぬいぐるみを抱えながら帰路に着いた。
そのぬいぐるみはAのベッドの上に丁寧に置かれていた。
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ルノチキ(プロフ) - 鎖骨さん» まじですか！？そう言って頂けて何よりです！最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2021年10月1日 0時) (
レス) id: c4cd32353d (このIDを非表示/違反報告)
鎖骨 - 凄い…めちゃくちゃいい話でした。。終わり方が最高です…！！グッとくるものがある…！ (2021年9月30日 23時) (レス) @page42 id: c7ef1e87db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2021年8月23日 10時
