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息をすれば噎せ返るような血の臭いが鼻につく。

青空の下、鴉があちらこちらで遺体を啄いている。



肉片が飛び散り、赤い飛沫が飛ぶ。



その女は、遺体の山に囲まれながら、地面に身をかがめ、真っ直ぐにこちらを見ていた。

否、睨んでいた。



「…っ。」



彼女が放つ殺気を前に、私は足を止める。


戦っていたのか…?

女が?見たところ天人には見えないが…




暫く彼女の方を見ていると、私が敵ではないと悟ったようだ。

彼女は刀を下ろし、彼女は立ち上がった。



長い髪を揺らし、血に染った着物を一枚脱いだ。



『…これを。』



彼女の着物の下には、子供がいた。



「その子は?」



『分かりません。恐らく墓場荒らしでもしていたのでしょう。』



「…貴方は、戦っていたのですか?」



『いいえ、鬼が出ると聞いて探しに来たのです。』



殺気はないと言っても、油断はできない。

血で染った顔をこちらに向ける。



「…。」



彼女は子供を抱き上げると、私に委ねる。



『彼が鬼です。よろしくお願いします。』



「…貴方は?」



『ただの女です。』




おかしな女だ。


それが彼女と銀時との出会いだった。

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作者名:あな | 作成日時:2021年10月4日 0時

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