体育館裏で愚痴をぶちまける。５【青葉城西】

嫌な予感が。 ページ35

松川side


「…なぁ、Aちゃんと家についたかなぁ。」


「お前、それ30秒に1回は言ってるぞ。いい加減気持ちわりい。」



Aがいなくなった後、そのまま練習は始まった。

一度、真凛が来て、「Aさんは？」と聞いてきた。

俺らは素直に、「Aは熱出したから帰ったよ。」というと、「残念です。」と言い、ずっと体育館にいる。

何が残念なんだ。もうちょっと悲しそうな顔とかできないのか？



「…行けばいいんじゃねえの？」


「…え。」


「俺、お前は熱出して早退しましたって言っとくからよ。」


「花巻…。」


「借りいっこな。」



ニシシ。と悪そうに笑う花巻に、俺は「おう。」と受け答える。



「一静さん！」



体育館を出ようとすると、真凛が話しかけてきた。



「どこに行くんですか？」


「俺も早退する。じゃあな。」


「どうして！どうしてそこまでAさんにこだわるんですか…？」



いかないで。そういう演技にはもう飽きた。



「前にも言っただろ。俺はAが好きだから。以心伝心ってやつ？」



まぁ、ちょっと違うのだろうけど。

俺は嫌な予感がしたんだ。Aが、呼んでいるような気がして。

正門を出た後に俺は走っていった。



「…なんで…何で皆あの女がいいのよ！ただのいい子ぶっているモブなのに…！」





　






　





　




　





　





「A…A！」



Aと帰る道は、いつも人は通らない。周りは田んぼが多く、帰るときは星がきれいだ。

海野が来る前、二人で帰るとき。



＿＿『わー、星がきれいですね！』


＿＿「そうだなー。」



お前はその意味知らないのに。

そうやって星を見ながら言うAが好きだ。

いつでも、真凛がしつこく来ても、Aのことをずっと思っていた。



「っは…！A！」



一本道の先に、誰かが倒れているのが見えた。

白と水色のジャージ。見慣れたポニーテール。



「！A！！」



俺は夢中でAの元にいった。

病院より…。→←あれ…？

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