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あんたは待っていたのね。 ページ22

烏野30ポイント、白鳥沢29ポイント。



「牛島さん!」



賢ちゃんのトスに走り出す若。



「せーのっ!」



ブロックを避け、ストレート側に打ったスパイクをリベロがレシーブする。



「しつっこい!!」



ギリギリで上げている烏野は返すので精一杯だ。


イライラしている賢ちゃん。

なんだろう、なんか嫌な予感がする。



「チャンスボール!」


『賢ちゃん、落ち着いて!』



苛立ったままトスを上げる。

囮で飛んだ太一を超え、ボールは若へ。

瞬間、ぞわりと寒気を感じた。

その正体の方を、ゆっくりと見る。

あぁ、ずっとあんたは待っていたと言うのね。

若のジャンプにあわせ、蛍ちゃんは旭とともにブロックへと飛ぶ。



『若!』



叫んでももう遅いのは知っていた。

トスも、ジャンプもスパイクも余裕がない。

旭と蛍ちゃんの間にできた隙間めがけ、若は腕を振り下ろす。

だけど。

その隙間に伸びてきたのは蛍ちゃんの腕。

真正面から若のスパイクを叩き落とした。

突然のことに、若の目が驚きに見開かれる。

観客が湧き上がった。

止めた右手を、思い切り握りしめて蛍ちゃんは叫んだ。



「っしゃあああああああああ!!!!」



賢ちゃんはただ、悔しそうに拳を握りしめ、止めた彼を睨みつけていた。



「すまん」


『!オッケー、次よ次!』



全く、こう言う時も冷静なんだから……だからこそ、エースと呼ばれるのにふさわしいんだけど。

白鳥沢側のベンチは、重い空気が流れる。

セットを落とすことも許されない。

圧倒的な力を見せつけてこその王者。

というか、鍛治君が逆に怒らないの本当に怖いんだけど!



「賢二郎」


「「!」」



ビンタでもされるのかしら……と皆が思っていた。



「……はい」


「……その顔は、自覚している顔だな」



ぺこり、と一礼し戻ってくる賢ちゃん。

そこに慰めようと覚ちゃんがいった。



「賢二郎生きてる?」


「これが練習試合だったら往復ビンタでした」


「そぉか?ミスってほど悪いトスでもなかったし、よくあることじゃんか。

それに今のはあの眼鏡小僧がうまかったよ」


「……今のは単なるミスではないんです」



声をかけようにもかけられない。

そう思っていると、賢ちゃんは勢いよく自分の両頬を勢いよく叩いた。

すごく、大きな音で。

……うん、大丈夫そうね。

頼もしい2年生でよかったわ。

アタシには、武器がある。→←こちらの変人コンビ。



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設定タグ:ハイキュー , 白鳥沢 , オネエ   
作品ジャンル:アニメ
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Nagi(プロフ) - 大好きですっ!!! (2021年10月24日 1時) (レス) @page49 id: 974074d1dc (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - すごく面白かったです!これからも頑張ってください! (2020年3月31日 22時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - クロネコさん» コメントありがとうございます!ハマってくれてうれしいです!! (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 短気っきーさん» ありがとうございます!オネェ男子最高です……作者様の紹介ありがとうございます。今度見てみますね! (2019年10月17日 23時) (レス) id: f860ac395f (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ - とても面白かったです!!ハマりました!! (2019年10月17日 20時) (レス) id: ba8b81f396 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いすだ | 作者ホームページ:オネエのすとーりー  
作成日時:2019年6月29日 9時

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