ん。２【音駒】

ん……？ ページ22

黒尾side


お昼を過ぎてもあのチビちゃんと目つきの悪いセッターは来ない。

1日練習をして、あと残り一試合。

その時、体育館の扉が勢いよく開いた。

やってきたのは、やはり噂の二人。



「主役は遅れて登場ってか？腹立つわ〜」



ま、これで全員そろったし、俺達は次の生川戦に臨むか。

リエーフもだいぶ慣れてきた。

さっきまで夜久に思い切り体当たりしていたみたいだけど……。



『ん』


「んぉ？あぁ、ありがとな」



ドリンクとタオルを差し出してくれる。

それを受け取り汗を拭いて、ドリンクを飲んだ。

Aもだいぶ働いてくれているしな。

汗をかいているけど、ジャージの上とか下は脱がないのかな。



「おいA、大丈夫か？」


『ん……？』


「暑くないかって。汗も凄いし、生川戦はちょっと休んだらどうだ？」


『ん……』



Aは少し考えて、コクンとうなずいた。

冷やしたタオルを、目元に置いてベンチに寝っころがる。



「Aどうしたんだ？」


「ちょっと熱中症っぽいからラストくらい休ませようかなって」


「そうだなー、頑張ってくれていたし」



海と夜久も賛成してくれた。

うちのマネージャーは体力ないからな。

でも俺達はこの試合を勝たなきゃいけない。ペナルティは嫌だからな！



「俺達は血液だ 滞り無く流れろ 酸素を回せ "脳"が 正常に働くために」



脳の体力のことも考えてやらねぇと。

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