体育館裏で愚痴をぶちまける。７【青葉城西】

大樹の青葉城西。 ページ42

１３対１１。まだ２点リードをしている。

一斉攻撃をしてくる烏野。そして、後ろから来たのは、日向君だ。



『バックアタック…！』



誰もが想像していないこと…と思った。

それは、及川パイセンによって阻止される。ドシャットだ。



「随分チビちゃんを空気にしてんな〜と思ったよ。『今が使い時だー！！』って思った？



　



俺も思った☆」


『くっそうぜえ…！』



味方のこっちもイライラするほどのゲス顔。

これで点を少しでも放したから、あとでローキックするだけでいいか。

試合はさらに進んでいき、なんとツッキーと菅原先輩が交代しに来た。

菅原先輩はセッター、つまりツーセッターなんだ。

菅原先輩のサーブは威力っていうよりコントロール重視。

京谷君の前に落とし、これで京谷君は出遅れる。

畜生上手いな…！

じわじわと点差をまた埋めてきた烏野。頼む、うまく離してくれ…！

タイムアウトを取り、皆にドリンクとタオルを渡していく。



「ん〜…Aちゃん、どう思う？」



及川パイセンがいきなり振ってくる。私は「えっ」とはならずに、自分のことを伝えた。



『京谷君を外すべきだと思います。あ、スタメンからじゃなくって…サーブレシーブを。』


「うん、同じこと思ってた。じゃあそれで行こう！」



私の言葉で決まったけどいいのか！？



『京谷君、頑張れよぉ！』


「…。」



無言でこっちも見向きもせずにコートに戻っていく京谷君。大丈夫だな。

もちろんそのあと菅原先輩は京谷君を狙うわけだが、花巻パイセンがフォローに入る。

攻撃力も重要な青葉城西。そして京谷君がスパイクを決めた。

なんだよあいつ！私が応援すれば決めてくれんジャン！



『京谷君以外も頑張りやがれください！！』


「わーってるよ！」



松川パイセンがそういって汗をぬぐう。

木は切られても、枯れない限りそこから芽や根を伸ばす。

青葉城西は、絶対に枯れない。

伸ばし、伸ばし続け今は大樹になって＿＿。



『青葉城西ー！ファイトー！』

なんなのだ山口君！→←潔いッス…。

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