体育館裏で愚痴をぶちまける。７【青葉城西】

勝負させてやれ。 ページ30

だけど、伊達工もやっぱり強いのは分かる。

黄金川君も、トスをそっと置いてくるだけですぐに届く。背が大きく、腕が長いっていうのもあるのかも。

そして、試合はちゃくちゃくと進んでいく。

試合は20対23でうちが勝っている。

そういえば、及川パイセン「あれ」やらないなぁ。

そう思っていると、及川パイセンはツーアタックを決めた。

これが見たかったんだよな。ムカつくけど。

これで、マッチポイントだ。



『落ち着いて！ここで点は取らせんじゃないぞー！』



花巻パイセンのサーブは、炸裂する。

しかしそれは拾われ、二口君にスパイクを決められた。

さらには、もっとヤバいことが。



『…ブロック最強壁3枚か…。』



結構きついぞ…。



「岩ちゃん！」


「オオッ！」



岩泉先輩がスパイクしにいく。…少しトスがネットより遠いような？

スパイクは拾われてしまう。さらに、黄金川君のツーのモーション…いや、違う方だ。

強打の方＿！

黄金川君、元はセッターじゃなかったのかな…火力凄い。

しかもこれで伊達工はブレイク。点差は縮まっていく。



「…おい、いつも通りでいい。俺に勝負させろ。」


「…ウィッス。」



岩泉先輩、完璧集中モードだな。



「さっき及川は、ブロックに捕まらないようトスをネットから離したんですね。」


「岩泉はお気に召さなかったみたいだなあ。」


「まぁ、打ちづらくはなりますからね。」



そうか、ブロック3枚があるから、及川パイセンはトスをネットから離したのか。

…いや、私がもしセッターでもするな。捕まったら嫌だもん。

ど真ん中ズドーン！！→←やられてやんの！

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