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「はっ、や…、やぶ。もぉ、さわって。」


「んっ…。ダメ。まだ…がまん。」


仰向けから体を捻って逃げようとする光の細い腰を掴み、俺はゆるゆると腰を動かしながら、光の中をゆっくりと擦ってやる。


「…っ、やぶっ、やぶっ。お…ね…」


今日一度も触られていないそれは、もうパンパンに膨れ鋭角に立ち上がっている。俺のゆるりとした律動に合わせて、ゆらゆらと揺れる。


先から止まることなく出てくる半透明の液体が流れるままに光の根本をビタビタと濡らしていた。


こんなふうに抱いたことはなかった。いつでも、光が気持ちいいように、辛くないように紳士的に抱いてきた。


でも、今日は…俺と繋がっていたことを、少しでも長く鮮明に光の記憶に残しておいて欲しかった。自分勝手だけど、優しいとかじゃなく、男の俺を覚えていて欲しい。


俺から別れを切り出したのに、最後に抱いてほしいと光は言ってくれた。真っ赤になって潤んだ瞳で俺の手をおずおずと握ってくる光は、この上なく可愛かった。


髪の毛に指を滑り込ませ、さわさわと頭皮を撫でてやる。光の性感帯の一つだ。光が喉元を晒し体を反らせると、そこが口を斜め上に向けたまま勢いよく揺れる。


「そ、んぁっ…ぁ、や、やぶっ…おれ…」


光が自分の手を膨れたそこへ持っていこうとするのを、捕まえると顔の横にゆっくりと戻す。


「ひかるっ…。ダメだよ。っ…まだ我慢できるよね…。」


光はもう既に流れ落ちる涙で目を潤ませ、俺を恨めしそうに睨んでいる。加虐心が煽られる。最中に自分で触ろうとするなんて、光にとってはよっぽどの恥辱だろう。


なのに大人しく俺の言うことを聞いて、シーツを握りしめて耐えている姿が愛おしい。
俺は光を焦らすようにゆっくりと動き続ける。


「やぁ…あっ、やぶっ、やぶっ…。」


もっと呼んで。次に誰かに抱かれても、俺を思い出すように。そして間違って俺の名前を口にすればいい。そんな酷いことを考えながら、繋がったまま光を抱きかかえ、片手は後頭部に這わせたまま首筋に吸い付くようなキスをする。


「んぁっ…、やぶっ、おれ…っあ、ほ…とは…んっ。」


光の口を塞ぐ。言葉は要らない。


俺の名前だけ呼んで、ひかる。

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作者名:黄色の梅 | 作成日時:2019年11月19日 11時

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