反社会的ユメノクニ。| Ryosuke.Y (ページ6)

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都内一等地に社屋を構える人材派遣会社。
そこで社長秘書として働くわたしには"殺し"を稼業にする恋人がいる。

殺し屋×OL

一見、接点皆無といえる二つの職業が出会ったきっかけ

それは＿＿＿＿

＊＊＊

眩いネオンに彩られた繁華街の一角、
かつてわたしはここで彫師として生計を立てていた。
もう数年前のことになる。

"闇医者"
"密売人"
"臓器提供ブローカー"

表社会では成立しない生業が裏社会では当たり前のように蔓延っている。

殺し屋も正真正銘"裏"の住人。
そんな日本の闇に生息する人種を客に抱える"潜りの女彫師"
それがわたしの仕事だった。

極道を生きる女たちはもちろん、
タレントやアイドルを数多く客に抱えていたわたし。
そんな自分が女性専用の彫師と知ってかしらずか、
ある日一枚の紙切れを手にやって来たのが彼だった。

黄色いシャツに丈の短いワイドパンツという少年のような装いとは裏腹に、どこか殺伐としたオーラを纏う男性。

その彼がポケットから取り出したのは、
十字架をモチーフにした奇抜なデザインが描かれた紙だった。

「ねぇ、キミの仕事ってもしかして……」

鋭利なそのナイフの絵が彼の商売道具だと気づいたのは、
数回にわたるスジ彫りの施術を終えた頃だった。

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