反社会的ユメノクニ。| Ryosuke.Y (ページ42)

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＋isolation ページ42

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両手が大きく開かれた胸に
勢いよく飛び込むと、

蝉「……待ってた」

水しぶきで濡れた髪に優しい手の温もりが
かぶさった。

「待ってたって…
わたしが死ぬのずっと待ってたってこと？」

蝉「や、違っ……、でも…会いたかった」

「……わたしも」

蝉「ほら、手。繋ぎたかったんだろ？」

ようやく触れることが許された手。
もう死んでるはずなのに、握った手は今まで
のどんな温もりよりもあたたかかった。

蝉「それじゃ、行くか」

「……はい」

毎日、同じ時間＿＿＿＿

手をつないで駅に向かって歩いた

幸せな日々を思い出した。

＊＊＊

社会に背を向けたわたしたちが、
現実世界で幸せになることは許されなかった。

でも、
ここならいいよね？

もう誰に構うことなく
もう誰の目も気にすることなく
ただ目の前にいる人を愛し
ただ目の前にいる人に愛される

それだけで
わたしは幸せだから。
それが現実の世界でなくたっていい。

ここは、
反社会的人間ばかりが集まる

ユメノクニだから＿＿＿＿＿

反社会的ユメノクニ。終