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土曜日の昼下がり
比較的仕事が落ち着くこの時期、丸ビル勤め
のわたしは完全週休二日制を満喫していた。
カンカンカンカンッ
弾むような外階段の金属音
嫁入り修行ならぬ、カタギ修行として家事を
習得中の彼が唯一性に合わないと投げ出した
のが洗濯だった。
溜め込んだ5日分の衣類を取り込みながら靴音
の主に近所の子供の姿を思い浮かべていると
バンッ
あろうことか自宅のドアが開いたことに全身
がビクリと反応、洗いたての白いタンクトッ
プが手元からはらりと落ちた。
「おっ、おかえり。
そんなに慌てて…どうかした?」
蝉「……が、見……った…」
呆然と立ち尽くしながらも
大きな瞳はキラキラと輝いていて
"見つかった"
鼻の頭を小さくかきながら呟いたその言葉を
わたしは聞き逃さなかった。
「ねぇ、見つかったって…もしかして
仕事が決まったの?」
ほころぶ口元に、
落とした洗濯物を拾い上げることも忘れ駆け
寄ったわたしは
「やったじゃん!おめでとう!」
蝉「………あぁ」
歓喜の声を上げて桜色の頬を両手いっぱいに
包み込んだっけ。
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作者名:知夏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/972e809caf1/
作成日時:2016年3月18日 23時