【暗殺教室】本校舎彼女【磯貝悠馬】

story*40 ページ43

‐翔side‐

あいつは狡い。

頭良いし、気遣いできるし、イケメンだし、姉ちゃん奪うし、なんでもできるし。
狡いよ。

俺に持ってないものばかりあいつは持っててさ。



あいつの首に光るネックレスを見る。


あいつが来るまで姉ちゃんはずっと俺の姉ちゃんだった。

俺の傍で、俺の為に笑ってくれていた。


ずっとこのまま続くと思ってた。
でもいきなりあいつが来て、今まで傍に居た姉ちゃんをあいつが奪った。

姉ちゃんは言ったよね。
俺が遠い人みたいだと。

違うよ。姉ちゃんが遠くに行っちゃったんだよ。


磯貝「翔くん」


ホント狡い。
あいつはこんな俺にも優しくしてくれる。

姉ちゃんがなんでこいつのとこに行ったか分かってしまいそうで怖い。


磯貝「確かにAは俺の彼女になってくれたけど、それでも翔くんとAが姉弟なのは変わらない。
Aにとって弟は翔くん一人だし、翔くんにとって姉はAと芙佳さん二人になっちゃうけど、それでも翔くんはAの家族だ。
翔くん達が家族なのはいつまでも変わらない。でも、いつかAにピッタリの男が現れて、俺達が別れるかもしれない」


こいつはいつもこんなことを言う。

そんなに自分を怪訝するなら姉ちゃんを任せたくないのに。


磯貝「付き合ってても所詮は他人だから、いつか離れる日が来るかもしれない。
翔くんと俺の違いは離れる日が来るか来ないか。そこなんじゃないかな」


こいつは少し寂しそうに微笑んだ。

こいつが何を考えて言っているのか、俺には分からない。


翔「そんなに自分が姉ちゃんに捨てられるって思うなら、なんで付き合ったわけ？」


マイナス思考なこいつがウザすぎて、そう聞いた。

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