Prologue ページ1
その日は案外簡単にきた。
「じゃあ…また後でね!」
「おう。また後でな」
いつもの様に彼女のAを本校舎の陰まで送って、いつもの様に教室に通って、いつもの様に授業を受けて。
そんな何の辺鉄もない日が今日変わった。
俺が教室を出ようとしたとき前原達に捕まった。
「皆でファミレス行くんだけど、磯貝もどうだ?」
「悪いけどパス」
上手く断れたと思った俺が馬鹿だった。
「そういや。磯貝って彼女とか居んの?」
「彼女?い…ないけど……」
「でも今朝誰かと歩いてたよね?」
「み、見間違いだろ…」
ヤバい。
かなり動揺してしまってバレたかもしれない。
「いや…あれ絶対磯貝くんだよ!隣はあれは………A組の柳葉さん?」
自分が分かりやすいくらい動揺するのが分かる。
その時前原が俺をジッと見て、
「な、なんだよ…」
「お前そんなの着けてたか?」
「は?」
「それってもしかして…」
と前原の視線の先を辿るとペアリングの付いたネックレス。
俺は慌てて握って隠す。
「つ、着けてたよ、前から」
「そうか?なーんか見たこと無いんだけど…」
それもその筈。
買えたのはつい最近。
安物と言えど買えるような金は持っていなくて、バイトで貯めた金を母さんに頼み込んでペアリング分の金を使わせてもらった。
いや、親に頼んで買うとかカッコ悪いけど…
『あら。Aちゃんに本気なのねぇ。孫を見るのが楽しみだわぁ』
『いや結婚するとかまで進展ないから……』
あればいいけど…
とか思ってたな……
と考えてると思い出した。
ここは教室。
つまり皆が居る。
皆を見ればニヤニヤしている。
バレたくない秘密が今日。
俺のミスでバレました。
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猫大好き - 磯貝君好きです! (2022年4月21日 17時) (レス) id: d3f6c8ef80 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ@ - 面白かったです! (2017年5月3日 11時) (レス) id: 050378d196 (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 苺姫さん» えっと…私がですか……? (2015年9月7日 12時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
苺姫 - イメ画書いてください!! (2015年9月7日 9時) (レス) id: 6f0a98566f (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - ススキさん» すみません…『は』でなく『を』でした……『を』を押した筈が『は』って変換してしまったみたいですね…すぐ修正します!本当にすみませんでした! (2015年7月21日 22時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木戸藍楽 | 作成日時:2015年7月16日 0時