緊急出陣命令 ページ1
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此度、政府からもたらされた出陣の命令は、本丸中を席巻した。
【天皇を狙う刺客あり。国家転覆に留意せよ】
狙われたのは日ノ本の皇。
国家転覆、と書かれた文字に、審神者は手の震えを抑え、刀剣男士を指揮する。
政府の書状によると、歴史修正主義者はどうやら天皇に関係のある場所に出現しているようで、本拠地は不明なるも、そこに行けば少しは情報を得られるかもしれないと、審神者はひとまず日本を天皇中心の政治体制に変える大きなきっかけとなった戊辰戦争への出陣を命じた。
「第一部隊、戦果を報告します」
本丸の主力部隊がもたらした情報は以下のものだった。
まず、敵の強さが尋常ではない強さで、極に達しているものや練度が最大くらいの刀剣男士でないと歯が立たないほどの強さであること。
そしてこれは何かしらの強化をどこからか受けているらしく、その力の本流を辿れば、本拠地がわかるやもしれない、と部隊長である前田藤四郎は語った。
審神者は報告を聞き、前田の持ち帰ってきた敵の一部から時代を辿る。
感じるのは人々の笑い声に、武士たちがゆうゆうと闊歩している姿。
町の中心に立派にそびえ立つのは、現在の皇居の過去の姿。
“江戸城”
「わかった、…敵は、江戸時代だ。 江戸城は何度も修繕が行われている…。これは初期だな…。まだ間もないが、治世が安定していることから推測するに、…」
審神者は得た情報を近侍のへし切長谷部に伝え、全刀剣に共有した。
「決戦は一週間後。向かうは、江戸時代 慶安。徳川家第三代将軍 徳川家光の時代。
狙うは異常歴史敢行軍の殲滅、撤退。
いざ、出陣だ！」
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作者名：みといそ | 作成日時：2024年2月6日 0時
