三輪 ページ4
「これからよろしくな。」
「え?これから??」
「えっ?ち、違うなら良いんだ。べっ、別に一人は慣れてるからな…。」
これからが、明日からということだと勘違いしたAは、戸惑って出た声が、誤解を招いたようだ。それよりも、彼女は、一人が慣れているという言葉が引っ掛かった。
「アーサーは、一人っ子なの?」
「え、いや、兄が三人いる。ただあまり、構ってもらえなくてな…。」
Aに、親近感がわいたと同時にここで楽しいという感覚を逃してはならないと思った。
「明日から…」
「ん?」
「明日から、此処でお話ししましょ!」
「お、おう…。」
「でも私、お昼に出ちゃうと起こられるから、夜になってもいいかな?」
「俺は構わねぇが…。」
「じゃあ、決まり!!」
宣言通り、Aとアーサーとの秘密の時間が始まった。王と王妃、メイドが寝入ったのを確認し、Aは城を出た。見つかるのは時間の問題のような気がするが……
月がてっぺんに昇り始めた頃、野原に二つの人の影が見えた。話してる内容は、とても子供らしくメルヘンチック。
「アーサーって、年上だったの!?てっきり同い年かと……」
「さりげなく失礼だぞ…」
「妖精さん?」
「見えるのか?ちょっと嬉しかったとか、お、思ってないんだからな!!」
「今日、なんでそんな庶民的な服着てんだ?」
「め、目立ちたくないの!」
茶化し合い、ふざけ合い、其処には二人だけの世界ができていた。二人とも笑顔が絶えず、幸せな時間が過ぎていった。
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