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「わかったって。
俺らも寝るから。」

って、高嗣は苦笑いでみっくんに手を振る。

「じゃあ、今度こそ本当におやすみ。」

みっくんも呆れ笑いで、教室の扉を閉めた。







みっくんが隣の教室に入って行く音を確認してから、高嗣は楽しそうに笑う。

「行っちゃったね。」

って、まるで悪いことをして叱られてるのに、全然反省してない小学生みたいな顔して。

「声響くみたいだから、こっそり話とかしよ?」

高嗣はベッドに寝そべったまま、向かい合わせに私を抱き寄せる。

私が緊張してるのに気付いて、

「大丈夫だって。
今日は何もしないから。」

とか、笑いをこらえるみたいにして言ってくるし。

「高嗣が何したいのか、よくわかんないよ。
高嗣ってこんな性格だった?」

「俺もよくわかんない。
Aといると、なんかいつもの自分じゃなくなるっていうか…。
ちょっとタガが外れちゃうのかも。」

って、外れ過ぎたよ、最近の高嗣は。







「Aと付き合ってから、俺は毎日楽しくて仕方ないんだけど。」

なんて言いながら、私の顔を覗き込んでくる。

「Aは?」

「楽しいよ?
でも、まだ慣れない。」

「何が?」

「この環境?
みんなが私と高嗣が付き合ってること知ってて、注目してる、みたいなの。」

「この島では、秘密とかあんまりないから。
困った時にはみんなで助けるし。
誰かに嬉しいことがあったら、みんなで喜ぶ、みたいな?
だから、俺らのことも暖かく見守ってくれてるんじゃないかな。
でも、都会育ちのAには想像もつかないかもね。」

…全然、都会じゃないけどね。

でも確かに私の地元は、隣の家の人が誰と付き合ってて、どんな恋愛してるかなんて全く知らないわけで。

ここまで周りの人に干渉されまくる恋愛ってどうなの?、なんて思ったりもするよね。








「そう言えば、Aのお母さんは知ってるわけ?
俺らが付き合ってること。」

「…言ってない。」

だって、こっちに来てから、実家に電話したりとかあまりしなかったし。

「でも多分、叔父さんが全部話しちゃってんじゃないかなー。」

そう言ったら、高嗣はまた、楽しそうに笑い出す。

「絶対言ってるって。」

一頻り笑った後、高嗣は急に大人びた声で私にこう言う。

「Aはもう寝な?
明日も早く起こされると思うし。
Aが寝付くまで、ずっと背中撫でてあげるから。」

って、まるで私の保護者みたいな口ぶりで。

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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時

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