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さっきまでホッとしてた気持ちも、そんな高嗣の一言で一気に緊張感が走ってしまう。

「…びっくりした?」

なんて笑いながら、高嗣は私の頬に触れる。

「Aの「好き」と俺の「好き」は多分、ちょっとだけ違うと思う。
どちらかというと、俺の「好き」の方が、意味が深くて重いかな。」

…なんか、ちょっとだけ理解できるかも。

高嗣の言ってること。

本土のそこそこ都会に住んでた私と、島育ちで自立も早い高嗣の恋愛観は違うってことだよね。

自然と硬くなってしまう私の表情に気付いた高嗣は、

「そんな、構えなくっていいから。」

って大人びた笑顔で、また私の前髪を指で掻き分ける。







「別に今すぐ、結婚とか言ってるわけじゃないし。
Aがこの島に住むのが嫌なら、また2人で考えたらいいし。」

高嗣にしては、随分建設的な意見だよね。

やっぱり高嗣は、私より幼稚に見えて、内面は私より大人なのかもしれない。

「今はお互い好きなんだから、一緒にいればいいじゃん。」

って、顔をくしゃっとさせて子供っぽく笑う高嗣を見てたら、なんだかやっぱりホッとした。

「ごめんね。
何も考えてなくて。」

「いいって。
俺も何も考えてねーし。」

目が合うと、くすぐったそうに笑う高嗣が可愛くて、高嗣に手を伸ばそうとするのに届かない。

高嗣の指は、私のおでこに触れてるのに。








そんな私の様子に気付いた高嗣は、私の腕を引き寄せて、自分の腕の中に入れてしまう。

「…俺に触りたかった?」

そう聞いた高嗣の声が、いつもより大人びてて、鼓膜にダイレクトに響いたから、

体中の力が一気に抜けてしまう。

高嗣の声って好き。

少しハスキーで、耳元で低音で囁かれたら、いつも胸が痛くなって目を伏せてしまうほど。

「触っていいよ、ほら。」

腕の中に少しだけ空洞を作ってくれるから、高嗣の背中に腕を回して、深く抱きついてみた。

「触りたかったんじゃないの?」

そう聞いて来る高嗣の胸からは、ドキドキと心臓の音が聞こえて来て、それだけで安心する。

「触ってるよ。」

「背中を?」

「ほっぺたでも触ってる。」

そう言って、ほっぺたを高嗣の胸に押し付けたら、高嗣はくすぐったそうに笑う。








背中に回した手で高嗣の、天使の羽の名残みたいな肩甲骨を触ったら、何故か笑い出すし。

「何でそんなとこ触るわけ?」

「だって、そこにあったんだもん。」

「じゃあ仕返しで、俺もAのこと触ってもいい?」

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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時

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