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家に帰ったら、庭にバーベキューコンロが設置されてあって、焼き肉の準備も全て整ってた。

「これ、高嗣が1人でしたの?」

「そう。すごくない?俺。」

とか、自分で言いながら、高嗣はご機嫌だし。

とにかくすごいスピードで肉を焼いて行って、私の皿にポイポイ入れていく。

「そんなに食べられないって。」

そう言っても、次々と皿に肉を乗せていくし。

自分はそんなに食べないくせに。






案の定、買ってあった肉を全部焼いちゃうから、一生懸命食べた挙句、

後片付けもできないくらい満腹になって、2人で居間の畳の上で寝転がってしまう。

「食べ過ぎたー。」

とか言いながら、私の横に寝そべってる高嗣は、不意に私の前髪に触れてくる。

そっと私の前髪を掻き分けて、そして一瞬悲しそうな顔をした。

「…何?」

「おでこの傷、残ってるね。」

私の額の生え際に残ってる小さな傷を、指でなぞりながら。

これは小学生の頃、高嗣と素潜りしてて、岩におでこをぶつけて出来た切り傷で。

それ以来、私は素潜りはしなくなったし、高嗣も私を素潜りに誘わなくなった。







「覚えてたんだ。おでこの傷のこと。」

「ずっと気になってた。
Aの傷がなくなってたらいいのにって。」

「少しだけだよ、残ってるの。」

そう言ってるのに、

「Aがいつも前髪下ろしてるのって、この傷を隠すため?」

とか聞いてくる。

「そんなことないよ。」

傷のことなんか、全然気にしたことなかったのに。







「Aのおでこにその傷が残ってたら、責任とって結婚しなきゃって思ってた。」

高嗣は寝そべったまま、私のおでこの傷を指でなぞりながら、そんなことを言ってくる。

そんなこと思ってたんだ。

小学生の時だよ、この傷ができたのって。

「親にも言われたからね。
女の子の顔に傷を付けたら、責任をとって結婚しなくちゃいけないって。」

「別に高嗣のせいで怪我したわけじゃないよ?」

「そうだけど。
実際一緒にいたわけだし。」

「別に、こんな傷くらいで責任なんか取らなくていいよ。」

「傷なんてなくても、あの頃の俺は、将来はAと結婚するんだろうなーって、なんとなく思ってたよ。」

って、畳の上に2人で並んで寝そべったまま、こんな時に言う?

やっぱり高嗣は、将来のことも考えた上で私と付き合いたいって思ってんのかな。

だから、聞いてみた。

「高嗣、私と結婚したいの?」

って、思いっきり直球で。

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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時

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