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「A、何してんの?こっち来れば?」

って、キッチンで所在なく立ち尽くしている私に、高嗣が声をかけてくる。

でも、どうしていかわかんない私は何故か、

「…ちょっとシャワー浴びてくるね。」

って、お風呂場に逃げ込んでしまった。

いやいやいやいや、どうした私?

何、今更テンパってるわけ?

高嗣に本当の恋愛を教えてあげるとか言ってたくせに、今じゃ私の方が後ずさりしてるし。







とりあえずシャワーを浴びて、部屋着に着替えたけど。

…どうするべき?

このまま居間に戻って、高嗣と一緒に過ごすべきか…。

そう悩んでいるうちに、キッチンに次のビールを取りに来た高嗣と、思いっきり鉢合わせしてしまう。

「あれ?Aもう寝ちゃうの?」

って、部屋着姿の私をチラッと見て、

「…じゃあ、俺も帰ろっかな。」

とか言いながら、気まずそうに目線を逸らしてくる。

やっぱりなんか…、気まずいよね?

付き合い始めって、こんな感じなのかな。

傍にいてほしいのに、いたら気まずくて困る、みたいな。

高嗣は縁側まで帰りかけて、また、

「A。」

って、私の名前を呼ぶ。








「何?」

返事をしたら、高嗣は笑顔で手招きをするから、

縁側まで行ってみたら、そのまま腕を引かれて、あっという間に高嗣の胸の中に転がり込んだ。

「A、今日からAは俺の彼女だからね。」

って、幸せそうな声をして。

けっこう、ぎゅうぎゅうに抱き締められてるから、高嗣がどんな顔をして言ってんのかもわかんないし。

「約束する。
Aのこと、大事にする。
今までみたいなことは絶対ないし。
Aと、ちゃんと本当の恋愛をするから。」

高嗣はちゃんと真剣な声で、そう伝えてくれるけど、

私は正直、まだ高嗣ほど度胸が据わってなくて、

「…うん。」

としか返事ができない。







「A、もう眠い?」

私を抱いてる腕を一本に減らして、私の頭を撫でてくる。

なんだか、そういう仕草のひとつひとつが、急に甘くなったよね。

今までだって私の頭を撫でることはあったけど、私を好きだと気付いた時から、その撫で方も今までとは全然違うんだよ。

だからこそ、どうしていいのか戸惑ってしまう。

正直、押され過ぎて、どう対応していいのかわかんないんだって。

そして今夜の別れ際は、高嗣は私のおでこに少女漫画みたいに甘いキスをして、もう一度ぎゅーってしてから、自分の家に帰って行った。

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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時

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