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びっくりして、高嗣の方を見たら、

高嗣もこっちを見てて、目をそらしたいのに、そらしたら負けみたいな気がして、目がそらせない。

繋がれてる手だって、ほどきたいのに、高嗣はぎゅっと握りしめたまま。

だから、

「…は?」

って、間の抜けた返答しかできない。

なんで急にそんなこと言うかな。






「俺、この間薫さんとデートした時、手を繋いでほしいって言われて、まあ…、繋いだんだけど。」

「…うん。」

「なんか、超不自然っていうか…。」

高嗣はそのまま口籠る。

「不自然って何?」

「なんか…、すごい違和感があるっていうか。
繋いでるのが気になって仕方ないっていうか…。」

それってさ…。

薫さんのことを意識してるから、そう思うんじゃないかな。

「Aとは繋いでても自然なのに。」

高嗣はそう言って、私のことをじっと見つめてくる。

だけど私は、その言葉にすごく傷ついた。

たぶん、私のことを意識してないから、そう思うんだよ。

小さい頃は、当然のように手を繋いでたし。

だって私は、今こうやって高嗣と手を繋いでることに、違和感を感じてるから。

それは、きっと。

私が高嗣のことを、まだ好きだからなんだと思う。









「何でAとは手を繋いでても自然なのに、薫さんとじゃダメなんだろ。」

独り言みたいに高嗣は呟く。

「…だって、私と高嗣は小さい頃とか、いつも手を繋いでたし。
だから違和感ないんだと思うよ。」

こんなことを言ってみるけど、本当は内心ぐちゃぐちゃに傷ついてて。

この言葉だって、瀕死の状態で、最後の力を振り絞るくらいの気持ちで言ってるんだよ?

だから、これ以上言わせないでほしいのに、

「そうかな。
Aを連れて行きたい場所なら、いっぱい浮かんでくるのに、
薫さんを連れて行きたい場所とか、全然思いつかないし。」

って、話を続けてしまう。








「それは…、高嗣が薫さんのことが好きだからだよ。
好きだから、意識し過ぎてるんだと思う。」

そう言って笑いかけたら、高嗣は困ったような顔で私を見てる。

ごめんね。

もうこれ以上は、高嗣と薫さんの恋愛のお手伝いとか、できそうにないや。

繋いでる手を、そっと解いて、

「もう帰ろう。
あと、もう私とこんな風に2人で遊ぶのはよくないよ。」

そう言ったら、高嗣は一瞬だけ、何かを言いたそうな顔をして、

その言葉をぐっと飲みこんだのがわかった。

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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時

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