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「薫さんがどんな気持ちでこの島を去ったかって考えた?」
「…考えたよ?」
「じゃあ、その日のうちに私の所に来るなんて、ありえなくない?」
なのに高嗣は、
「そうかな。
会いたくなったんだから、仕方なくない?」
って、恥ずかしげもなくそんなことを言う。
ちょっと前の私なら、喜んでしまうようなその言葉も、今の私には罪悪感を増長させてしまうだけだし。
むしろ、そんな高嗣にイライラするほど。
「高嗣は残酷だよね。
私以外に好きな人ができたら、またこんな風に私のことを島から追い出して、その日のうちにその子のこと迎えに行っちゃうんでしょ。」
そんな私のトゲトゲした言葉に、高嗣は困り顔。
「だって、こうするしかねーじゃん。
Aが好きって気付いたのに、同情でズルズル薫さんと付き合うのが優しさ?
そっちの方が残酷じゃない?」
「じゃあ、薫さんが帰るって言った時、引き止めた?」
「...引き止めては、ないけど。」
「早く帰ればいいのにって思ってた?」
「思うわけねーじゃん、そんなの!」
急に高嗣が大声を出すから、びっくりして涙まで出てきたし。
私の突然の涙に、さっきまで大声を出してた高嗣は、急にオロオロし始める。
「…ごめんって。
泣かなくてもいいじゃん。」
高嗣の前で泣くのは、初めてだね。
できれば、泣いてるところとか見られたくなかったな。
砂の上で体育座りして、膝に顔を埋めて泣いてる私と、
そんな私の隣に座って来る高嗣。
「A、ごめんって。」
何度もそう言って、私の頭を撫でようとするから、その手を振り払う。
今日の私はダメなんだって。
もう、感情がぐちゃぐちゃでどうしようもないから。
高嗣に好きって言われて、うれしいのと、
でも、島の人に誤解されてて、変な噂が広がって困ってることと、
薫さんを傷つけてしまって辛いこと、
なのに意外に高嗣が平気そうにしてること、
いろんなことが脳内で処理しきれなくて、涙になって溢れてきたんだと思う。
何度も手を振り払っても、高嗣は私に手を伸ばしてきて、
結局は、強引に私の肩を抱いてしまう。
「しょうがなくね?
好きになっちゃったんだから。」
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わかめ(プロフ) - ライラさん» まさかのみっくんの、「ごめんガチで早く寝て」でキュン死にしてもらえるとは!!!感無量です、ありがとうございます(*^-^*) (2016年11月6日 23時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ライラ(プロフ) - ごめんガチで早く寝てくんね?のみっくんにキュン死に〜( *´艸)ちょこちょこでてくるみっくんにやられっぱなしです(*`▽´*) (2016年11月6日 18時) (レス) id: db3aa51c9f (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - はるかさん» 高嗣さん、ちょっと今までない強引ぶりを出してみました。つか、こんな高嗣さんが見てみたいという願望からwww高嗣はやる時にはやる男です(*^-^*) (2016年11月6日 17時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - はぁ、ヤバイヤバイ高嗣がステキすぎる。いい男すぎる。ここのところドキドキしっぱなしです。恋愛偏差値70ってすごいね。高嗣にはその素質があったんだよ、きっと…。主人公ちゃんが開眼させたのね。ふふふ(*^^*) 続き楽しみです。 (2016年11月5日 16時) (レス) id: 82790df662 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まなさん» 邪魔させちゃいましたーwww毎日しつこく更新してるのに、読んでいただいてありがたいです(´∇`)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年11月4日 0時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2016年10月13日 0時