バニラドロップ ２

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「だから、Aの家に夜に遊びに行ったり、
Aを花火に連れて行ってやりたいとか、いろいろ思うようになった。」

「…うん。」

「でもまだ、好きとかそういうのはわかんなくて。
Aが薫さんのこと幸せにしろって言うから、俺なりに一生懸命頑張ってたんだけど。
やっぱ、変な違和感があって。」

「違和感って何？」

「俺、何してるんだろ、みたいな。
薫さんといても楽しくないし。
罪悪感しか湧かないし。
これが恋愛？みたいな。
Aとだったら、一緒にいるだけで楽しいのに、って。」

ものすごい急成長だね。

この間まで、救いようのないくらいの恋愛疎い系男子だったのに。







だから、こう聞いてあげる。

「高嗣は私のことが本当に好き？」

「好き。」

躊躇もなく返事をしてきた高嗣に、私は内心満足なんだけど、もっとゴネで苛めたくなる。

「ほんとかなあ…？」

意地悪な私は、高嗣の気持ちを試したくて仕方なくなってきた。

「答え合わせしよっか。」

「何？答え合わせって。」

「高嗣が本当に私のことを好きなのか、答え合わせ。
恋愛答え合わせだよ。」

そう言った私の顔を、高嗣は不思議そうに見つめてるから、まず第１の質問。









「私が１ヶ月で５kg太ってしまいました。
さて、どうする？」

「…は？何それ。」

って、高嗣は私の質問がツボに入ったみたいで、１人で笑ってるし。

「真剣に聞いてるのに。」

「えー？わかんないし、そんなの。」

「例えば、高嗣の友達が１ヶ月で５kg太ったらどうする？」

「別に、どうもしない。
あー、太ったなー、で終わり。」

「じゃあ私だったら？」

「えー…、まあ、心配になるよね。
なんか急に太るような原因あったっけ？みたいな。
で、Aが痩せたいって言ったら、一緒に走ってやる。」

何それ。

なんか微妙なんだけど。

合格か不合格なのかわかんないよ。







「じゃあ、次の質問ね。
私が他の男の人と仲良く歩いてました。
さあ、どうする？」

そうすると、高嗣は即座に脳内で想像したのか、思いっきり不機嫌な顔で、

「…絶対、無理。」

って言い放つ。

「何が無理なの？」

「ガチで無理。
許せないし、腹が立つし。」

「一緒に歩いてるだけだよ？」

「うまく説明できないけど、嫌だ。
つか、Aと他の男が話とかすんのも嫌だし。
だからさー、もう横尾さんの所とか行かないでほしいんだけど。」

…そう来たか。

「まだ高嗣は彼氏でもないのに、そんな命令するんだ。」

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