祖父母宅 ページ2
「よう来たね。遠かったやろう。お茶入るーけん、ゆたっとしときんしゃい。」
「あ、ありがとうございます!」
ぼーっと立ち尽くす僕を、おばあちゃんが出迎えてくれた。
「あはは、敬語じゃなくてよかばい。それにしたっちゃ、大きゅうなったね。」
「えへへ、もう高校生になりま、じゃない、なったよ。」
「もう高校生!すごかね。元気そうで良かったばい。じじ、部屋に案内しちゃって。」
おばあちゃんはおじいちゃんにそう言うと、家の中に入っていった。
「じゃあ、上がって〜。侑ん部屋は二階やけん、ついてきんしゃい。」
僕はドキドキしながら家に入った。
すごい!日本人形だ!
見るもの全てに趣がある。独特の木の香りも、心地良い。
おじいちゃんはスタスタ階段を登っていく。流石、農家さんだ。さっきの道もペース落ちなかったもん。
ふと、生温かい風が吹き、ゾクリと肌が粟立った。
なんだろう。この感じ。
「夏なのに田舎は涼しいんだなぁ。」
階段は終わり、廊下を歩く。
目の端で捉えた廊下の鏡には、黒いものが写っていたような気がした。
「汚れが・・・後で掃除のお手伝いしよ。」
誰かがコケた音がしたようなしてないような。きっと山の動物の足音かなにかだろう。
しばらくついていって、僕の部屋についた。
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作者名:いしみつ | 作成日時:2023年1月19日 17時