反抗 ページ16
「A……私は、あなたを守るために、」
「白鳥さん、言い訳するのはやめた方がいいですよ」
「あなたは黙っていてください」
「……黙れ？Aさんが泣いているのに、黙っていられるわけないですよ。今のあなたに、Aさんと話す資格はありません」
「隣人風情に、何が分かる……！」
「し、白鳥理事長……！」
お隣さんに詰め寄ろうとする稔さんを、藤巻さんが焦った表情で止めに入る。
「今の白鳥さんは、冷静さに欠けている。今夜はおひとりで、Aさんに言われたことについてじっくり考えてみてはいかがですか？Aさんは私が預かります。Aさんも、それでいいですよね？」
お隣さんは私の肩に手を置き、涙でぐちゃぐちゃになった私の顔をじっと見つめた。
私は、いつもの癖で稔さんの顔色を窺う。
声を聞かなくても、「断りなさい」と言っているのが分かった。
そのまま私が口を開こうとすると、顔に手を添えられてお隣さんに目を合わせられる。
「Aさん。私は、あなたに聞いてるんです」
私……？
私は、どうしたいんだろう。
稔さんに従えば、またいつもの日々が戻ってくる。
でも、それで本当にいいんだろうか？
何も出来ない私のままで、本当に。
「私は、……っ」
お隣さんの腕を掴み、真剣な瞳を真っ直ぐ見つめ返す。
お隣さんは、顔に添えていた手を下ろし、ゆっくりと頷いた。
「私は、お隣さんに着いていきます」
「……分かりました。Aさん」
稔さんが私を呼ぶ声が聞こえる。
お隣さんは私を稔さんが見えない位置に移動させて、店内を見渡して通る声で話し出した。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました。お詫びに、皆様の今夜の飲食代は私がお支払いさせていただきます」
店内がザワつく中、お隣さんは杏梨さんに「後日、私宛てに請求書をお願いします」と頼んでいた。
「いいんですか？」
「はい。その代わり、今日の出来事は口外しないと全員を了承させてください」
「承知いたしました」
「行きましょう、Aさん」
私の腰に手を回したお隣さんにエスコートされながら、私は出口へ向かって歩いていく。
もう、稔さんの声は聞こえなかった。
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ときあと(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。少しずつ修正していこうと思います。今後も是非読んでいただけると嬉しいです。 (3月10日 22時) (
レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読みました。 読んでいて思ったのですが。。。 台詞の間(行間隔)あけてはどうでしょうか？ 行間隔が詰まっていると何だか読みにくいので。。。 (3月10日 22時) (レス) @page2 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
ときあと(プロフ) - みつ丸さん» 冷静になって考えたら、自宅に監視カメラ付けてるのって相当ですよね…(汗)応援ありがとうございます！ (3月1日 20時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
みつ丸(プロフ) - ドラマのお陰で、理事長=監視キャラのイメージがありますよね(笑)連載楽しみにしております！ (3月1日 20時) (レス) @page4 id: 8f46f7c20d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ときあと | 作成日時：2024年3月1日 18時
