特級術師は逃がしてくれない。2【乙骨憂太】

予測 ページ22

.......おかしい。



私は何度か手札が三枚になっているのに、


一向にババがひかれない。






『ｯねぇ乙骨、早くひいて。

皆あがっちゃうから。』




狗「しゃけええええええ！！！」





狗巻くんが真希のカードをひいて、

一番にあがった。





真希とパンダくんも数枚もっていて


私は二枚、乙骨も... 二枚。




パンダ君にひかれて、一枚になってる。








『乙骨！ひいて！

多分もう戻ってこない！！』


















乙骨は


優しく ふ と笑った後、




"ごめんね、Aさん。"






そう言って、

ジョーカーじゃないほうを取っていく。






乙「あ、揃った。」







二枚を場に出して、戦線から離脱した。












パ「うわぁ〜策士だな。憂太。


A、元気出せ。」






真「.....つーか、

Aが目開けた以上憂太は負けようがねぇから、

もともと協力も何もねぇだろ。」







.....確かに。







乙骨は私からババを引かなきゃ、負けないんだった。







腕を伸ばして机につっぷしながら

真希のカードを引くわたしの頭を、


乙骨は片手でわしわしと触ってくる。




最低すぎて手を退ける気力も起きない。



















パ「ｯｯあぶねぇ〜。


俺、動物園のパンダになっちまうとこだったぞ。」







真「ｯｯｯAwwwww

そんな落ち込むなってww


ｯｯはっwwははっww」



狗「た"ｯｯｯかな笑笑」






人の不幸と悲しみを喜びやがって..........。







......でも、少しそんな気はしてた。



このままババ移動せずに負けそうだなって。



まさか現実になるとは........。









乙「Aさん......ババ抜き弱いね」





『あんたは一回黙って』








ババ抜きに実力が関係するのを知ったと同時に、


私にはババ抜きの実力が驚くほど無いという事を


改めて思い知らされた瞬間だった。

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