16話 ページ16
凍てつくような冷たい風が頬を切る。
着いた場所は一面雪に覆われた白銀の世界……なんて綺麗な言葉とは遠い暗い冬の工場。
｢さて、と｣
いつものように、手に持った機械で仲間に自分の位置を伝える。
数秒して、Aからもメッセージが送られてきた。
場所は恐らく建物の奥。
緑のフードを被り直し、その方角へ向かった。
今回のメンバーは、傭兵の自分、空軍のマーサ、オフェンスのウィリアム、そしてAだ。
偶然か主催者の配慮か定かでは無いが、救助やハンターから逃げること、いわゆるチェイスが得意な人が集まっている。
マーサとウィリアムはそれぞれ信号銃とタックルが使えるため、万が一Aが捕まっても上手く助けることができるだろう。
自分も、友人の大切な人を守るため全力を尽くすつもりだ。
ハンターが彼女の所に行っていないことを祈りながら、雪の降る中を駈けた。
｢ひっ、……ナワーブさん！ビックリした……｣
マップ端の方で、物陰にしゃがみこむ彼女を見つけた。
慣れないうちは、ハンターの位置が分かるまで隠れているように教えられたらしい。
｢今俺が来たそっちの方角にハンターはいない。
俺は反対の方に向かうから、君はそこにある暗号機を解読しておいてくれ｣
コクコクと頷いた彼女が暗号機にたどり着いたのを確認してから、自分もさほど離れていない暗号機に向かった。
その時、マーサが攻撃されたことが知らされる。
一瞬赤く浮かび上がった影は、大きく鋭利な左腕を持つアイツ。
｢リッパーか｣
まあ逆に好都合だ。
初試合で写真家や夢の魔女なんかがきたら、余計に混乱してしまうだろう。
ハンターとチェイス中だと伝えるマーサからのメッセージが来ると、Aからの、頑張れ持ちこたえろ！との返信が送られてきた。
ひとまず試合の大体のことは分かっているのだろう。
自分も今のうちに解読を進めなければ。
地獄のようだった戦争のことを思い出しながら、震える手で暗号解読を始めた。
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えるみ(プロフ) - あねもさん» 閲覧ありがとうございます！花言葉についてはあえて触れなかったのですが、分かってくれる方がいて嬉しいです……！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: 58f336f1ac (このIDを非表示/違反報告)
あねも(プロフ) - とてもおもしろかったです！最後に出てきた紫色のアネモネは、あなたを信じて待つという意味ですか？私自身、紫色のアネモネがとても好きなので嬉しくて思わずコメントしてしまいました！完結、お疲れ様でした！ (2019年9月22日 4時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - *まめ丸*さん» 感動してもらえたなんて嬉しいです.......！またいつか新作作った時はよろしくお願いしますね！ありがとうございました！ (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» 完結させられて良かったです！閲覧ありがとうございました！ (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごくよかったです!感動しました!!えるみさんと出会えてとても幸せでした!!そしてお疲れ様でした!!えるみさんの素敵な作品いつまでも待っています!!えるみさんや作品大好きです!!えるみさんの幸せを願って。また会える日まで!! (2019年8月14日 21時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるみ | 作成日時：2019年7月13日 17時
