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髪が完全に乾いた、午後6時。
パーカーと帽子を着用し、家を出る。
「行ってきます」
と、言い残してから、リュックだけを背負って最寄り駅へ歩いて行く。
夜に釘を打つ音がするなら、夜に行くのがベストだろうと思った。
それに、夜なら電車も空いていると思っていた。
(最悪だ)
かなり遅い時間だったら、想像通りに空いていただろう。
午後6時30分、電車は帰宅のラッシュを迎えていたのだ。
なので、見事なまでに席は愚か、立っている場所もぎゅうぎゅうだった。
(約1時間の棒立ちは、落ち込むなぁ)
現役高校生だからって体力があるわけではない。
零華としての体育の成績は5段階中2だ。
まだ、発車まで少しあるので後ろの方の車両へ移動する。
一番後ろの車両はそこそこ空いていたので隅の吊革につかまる。
〈発車します。おつかまりください。〉
ガシャンとドアが閉まる。
しばらく、移動しないのでスマホとイヤホンを取り出し、音楽を聴く。
(あー 落ち着くなー)
時がまるで一瞬のように過ぎていく。
3、4駅は通り過ぎただろうか。
都市部から少し離れたせいか、車両の人数が減って来たので席に座る。
現在時刻は午後7時。座ったせいか眠気がどっと襲ってきた。
(少し寝ようかな)
次の駅が表示されるモニターを見たが、目的の駅はまだまだ先。
2時間近くはかかるだろう。
(まだ寝るには早いけど、眠いから仕方ない)
電車の揺れが心地よい。
僕は音楽に耳を傾けながら、瞼を閉じたのだった。
.→←【7/26】一廻目/消えた藁人形(Bランク)/星河 輪廻
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作者名:海華@国語小テスト32点 | 作者ホームページ:無いよ〜
作成日時:2021年7月16日 14時