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そして、またあの怨霊の元へやってきたが

「………今はまともに話せる状態じゃ無いなぁ…」

「だよな」

未だに小声でブツブツと独り言を言っている。
すると、幽歌が大きめの声で話しかける。

「貴方、ここに住んでるOさんって人、知ってるでしょ?」

怨霊が反応した。

「彼が貴方の悪戯に困ってるみたいなの!」

怨霊の動きが一瞬止まった。

(もしかして、怨霊はOさんの知り合い?)

「だから、止めてあげて!」

(…何か、怨霊が変?)

幽歌が止めてと言った瞬間、怨霊の動きが完全に止まった。
そして、怨霊から“何か”が抜けた。

「あとは依頼された輪廻に任せるよ」

「分かった。」

僕は“元”怨霊に近づいて、声をかけた。

「なぁ」

「………!」

目を見開いて驚く霊。

「お前、このアパートの205室の元住人だろ?」

「う、ん………私、が、見える、の?」

「まぁな。で、こんな悪戯をした動機は何だ?」

「……………から…」

「え?」

「羨ましかったからっ!!」

「!!」

いきなり大きな声を出すからビックリした。

「私は行く先でずーっといじめられてた。もう、辛くなって首を吊ったのに!なんで、アイツは幸せそうに生きてるの!?なんで、笑ってるの!?意味わからない!!」

「そっか」

「でも、こうやって私を退治しに来たってことはアイツに恐怖を与えられたのね。まぁ、満足よ」

「お前を退治する前にしてもらいたいことがある」

「何?」

「Oさんに謝れ」

「嫌よ?」

「謝れ。じゃないと」

ポッケから刃を塩水に濡らしたナイフを取り出す。
霊は塩が弱点だからと幽歌に教えてもらった時に作ったのだ。

「う…………分かったわよ」

霊は205号室に向かっていった。

.→←.


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作者名:海華@国語小テスト32点 | 作者ホームページ:無いよ〜  
作成日時:2021年7月16日 14時

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