弟なんか要らなかった【おそ松さん】

三十松 ページ32

カラ松にあの服を着せたのは正解だった。着替える前の格好だと 周りの人のは見ないようにしていたのに、今の服だと結構見られている
カラ松って顔は凛々しいから服を間違えなければ格好いいんだよな
ちなみにあのシャツは昔の癖でダースで買った物だ。着ないで置いておくのも勿体ないと思ってたまに着ている


カラ「どこに行くんだ？」


『…あ〜、考えてなかったな…。どっか行きたい所あるか？』


そうカラ松に聞けば、少し間をあけて「え…」と返ってきた
まあ当然の反応だよな。昔は優しく接する事なんてなかったし、一緒に出かけるなんてあり得ない事だったから


『やっぱ突然こんな態度変わったら怪しいよな…。
気にしないでくれ。今のな…』


カラ「俺…、どこにも行かなくていいから…
A兄さんと仲直りがしたい…」


俺の言葉を遮ったカラ松の言葉に、俺は歩く足を止めてカラ松の方を向いた
そのカラ松はと言うと、俺の目を真っ直ぐ見つめている


カラ「俺 気づいたんだ。A兄さんの言葉は冷たくて鋭い。でもその中には少しの優しさが含まれてる。中学の頃、俺の演技を見たA兄さんは言った」


＿＿＿『あの演技はなんだよ。まるで人形だな』＿＿＿


カラ「あれはA兄さんなりのアドバイスだったんだろう？」

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