弟なんか要らなかった【おそ松さん】

二十松 ページ22

十四松side


僕の予想は当たったみたいで、A兄さんは怖い顔をして俯いちゃった
兄さんって何でも溜め込んじゃう癖があるって聞いたから、僕が話を聞いてあげなきゃって思ったんだ


『ほんと、お前って奴は…』


十四「ん？」


『昔っから周りの事をよく見てるよな』


A兄さんがちょっと笑った。怖い笑顔じゃなくて優しい笑顔
その顔を見たのは本当に久しぶりで、僕は嬉しくなった


十四「えへへ〜♪兄さんに誉められた〜♪」


『…十四松』


A兄さんは僕たちを名前で呼ぶことは滅多になかったから驚いちゃった。そして頭に手を置かれたと思ったら優しく撫でてくれた


十四「兄さん…？」


『俺さ…本当はお前らと仲良くしたいんだ。でもどうしても冷たい態度をとっちまうんだよ。それで勘違いされるし、余計に冷たくしちまうのが落ちだ』


そういえば兄さんが僕たちを無視してた時の顔は何だか苦しそうだった。冷たい言葉を言ってる時も同じ


『最低な兄ちゃんでごめんな…』


謝ってきた兄さんは辛そうな顔をしてる。また何かを押さえ込んでる顔だ


十四「A兄さん！兄さんは最低なんかじゃないよ！だって兄さんは優しいもん！だから謝らなくていいんだよ！」


僕はA兄さんがしてくれてたみたいに 兄さんの頭を優しく撫でた。僕にはこれくらいしか出来ないからね

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