弟なんか要らなかった【おそ松さん】

十八松 ページ20

十四松とバスに乗って俺の家に向かう。歩けない距離ではないけど、バスの方が早いからな


十四「兄さん、僕お金持ってきてないよ？」


『知ってる。今回は俺が払う』


近所の停留所に着くと、運転手に二人分と伝えてICカードをタッチしてバスを降りる
十四松はさっきから俺の腕から離れずに、ずっと引っ付いている


十四「兄さんの家初めてだー！」


『煩い。近所迷惑』


優しい言葉が出てこない。何で俺はこんな兄ちゃんなんだ……何で冷たい言葉しか言えないんだ……


十四「兄さん家ってどこにあるのー？」


『そこのアパート。話すこと済んだらさっさと帰れよ？』


十四「あい！」


十四松は素直に返事をして俺についてくる。チラッと十四松の顔を盗み見れば、相変わらずの笑顔で進行方向を見ている


『ほら、ここだ』


アパートに着いて階段を上る。俺の部屋は２階の一番奥にある。
鍵を開けて中に入れば まず飛び込んでくるのは二面の箏


十四「うおーー！！ここが兄さんの家ッスか！！」


『ああ。で、俺と何を話したいんだ』


小さなテーブルの前に座る十四松にお茶を出しながら聞いて、俺は十四松の斜め向かいに腰を下ろす


十四「A兄さんの事おしえて！」

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