*First Step*【ログホラ】

~第25歩。~ ページ29

「ああ、それでこちらの……」
「Aは、＜大災害＞の後からずっと悩んでるんです」

うーん、と唸ったシロエさん。

ギルドハウス、応接間にて。

結局アカツキさんも一緒にお茶会をすることになった。

因みに座席は、わたし・ソウジロウ君の向かいにアカツキさん・シロエさんという状態。

現在わたしの話題になり、名前表示のことを『名参謀と呼ばれるシロ先輩なら分かるかも』と主張するソウジロウ君に促され、(若干渋々)相談している。

「成る程……。＜大災害＞前は普通だったの？」

シロエさんがわたしの方をみて尋ねる。

「は、はい。こちらに来る直前設定変更してたので、多分それが関係してるんだと」
「お、それは有力かも」
「……しゅ、主君」

と、ここまで黙っていたアカツキさんが手を挙げた。

「ん、アカツキ。どうしたの？」
「その……外観再決定ポーション、というのがあるだろう」
「ああ。使ったね、アカツキも」
「でも、それがどうしましたか？」

ソウジロウ君が尋ねた。
わたしも同意見だ。

アカツキさんは、しっかりとわたしを見据えて言った。

「外観を変えられるアイテムがあるなら、名前を再決定できるものも作ることができるのでは、と思うんだが……」

「「「!!」」」

目から鱗、とはまさにこういうことだろう。

「そ、それだ！『ロデリック商会』さんにお願いしましょう！」
「そうだね。行ってみようか」

……なんか、話が進んでってます。
頼みに行くのって、わたしも行くんだよね。当事者だし。

でもさっきの会話の感じだと、シロエさんと行かなきゃなのかな……

無理！←

「主君、私が行く」

と、アカツキさん。

「え、アカツキ？」
「主君は忙しいだろう。ソウジロウさんも仕事で多忙だと聞いている」
「でも……」
「Aさんだけよりは安心だろう。任せてくれ」

それでいいか、とアカツキさん。

わたしが頷くとソウジロウ君は「じゃ、決まり！」とにっこり笑い、ぱんぱん、と手を叩いた。

「じゃ、今日はこれでお開きにしましょう！少しは打ち解けた……かな？」

こうして、お茶会はお開きとなった。

「Aさん、行くぞ」「え!?今からですか!?」「思い立ったが吉日だ。ほら、案内する」「ちょ、待っ……!!」

半ば強引なアカツキさんと『ロデリック商会』へ向かったのは、その直後だ。

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