*First Step*【ログホラ】

~第40歩。~ ページ46

「……Aやん」
「はい？」
ロデリック商会から帰る途中。
口を開いたのはマリエールさん。

「こっち、帰る方向!!今日ソウジロウんとこ行く日やで!?」
「……う」
ばれた。

「何やのー！まさかこないだから喋ってへんとかやないやろな」
「……う¨」

なぜ分かるんだ。
……あの日から、会うこともおろか念話さえしていない。
別にソウジロウ君とわたしとで揉めた訳ではないのに、すごく気まずくて。

「もお!!行くで、Aやん！」
「……ええ!?ちょ、マリエールさんっ!!」
見た目以上のパワフルさで腕を引っ張られ、逸れた道の先にあるのは……

ソウジロウ君の、ギルドハウス。

〜sideソウジロウ
「あ、えと」
扉を背に、あたふたしているA。
そんな姿まで可愛いとか思ってる僕って一体……。
じゃなくて！

「あ、A。えっと」
口を開く。さっきのことを思い出しながら。

『……あれ。ヘンリエッタさん？』
『心配だったので。Aちゃんとの成り行きが』
『へ？』
『要約しますと、「いっぺん気まずくなったくらいでうじうじしてないで早く告っちまえ」という事です』
『なっ……』
『……まずはお出掛けにでも、誘ってみられては？もうすぐ来なさると思いますし』
『……そうですね！くよくよしてるのも僕らしくないし！』
『では、私はこの辺で』
『え、ちょ、待っ……』
『ソウ様、お客様です！』
『……おうふ』

いつからか気づいてたんだ。Aに寄せる感情が特別だってこと。

……ちょっとお出掛けしませんか。ちょっとお出掛けしませんか。……よし。
「ちょっとお出掛け、しま」
「は、はいっ！」
……うん？
「あ、わわ、えっと……」
慌てる彼女。
「そ、その。い、行きましょう!?」
「あ、はい！」

うん。何か究極に恥ずかしい。

〜*〜*〜*〜*〜*〜
うーん、うまいこといかなかった。(文才が足りない)

ちなみにその頃のマリエ&梅((←←
「うわーっ！二人とも真っ赤やん！林檎林檎ー」
「何だか面白いことになっていますわね」

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